VYM(バンガード)とHDV(ブラックロック)を徹底比較【どちらも超おすすめの高配当ETF】

高配当系のETFとして頻繁に比較されるVYMとHDV。バンガードとブラックロック、それぞれの高配当ETFの代表格ですが、パッケージの中身は結構異なっています。

どちらも素晴らしいETFに違いはありませんが、それぞれの特性について比較検討してみます。

VYM【バンガード高配当株式ETF】

VYM基本情報【2017年6月18日時点】

ベンチマーク FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス
設定日 2006年11月10日
純資産総額 18,065.9(百万米ドル) 
構成銘柄数 428
経費率 0.08%
分配利回り 2.89%
配当日 年4回(3月・6月・9月・12月)

まずは経費率の低さに目が行きます。100万円の投資で800円の経費で、これが日割りにより差し引かれるわけですから、日本の一部の投資信託には到底真似できないような圧倒的な低コストを誇ります。

このところは株価上昇の影響で分配利回りが低下しています。高配当ETFと位置付けるのならば、利回り3%はほしいところです。

純資産総額については十分な数字です。ETFは純資産総額が少なすぎると繰上償還に伴う上場廃止の可能性も出てきますが、VYMに関しては心配ご無用です。

構成銘柄も428とかなり分散投資が効いています。分散は効いていればいる程将来のリターンに直結するという訳ではありませんが、対象が米国の高配当株という事を考えると、安心して購入することが出来ます。

VYMの組入銘柄上位10株【2017年3月時点】

マイクロソフト(MSFT) 5.3%
エクソン・モービル(XOM) 3.6%
ジョンソン&ジョンソン(JNJ) 3.6%
JP・モルガン・チェース(JPM) 3.4%
ウェルズファーゴ(WFC) 3.0%
ゼネラルエレクトリック(GE) 2.8%
AT&T(T) 2.7%
プロクター&ギャンブル(PG) 2.4%
ファイザー(PFE) 2.2%
シェブロン(CVX) 2.2%

 

上位10銘柄はアメリカの企業と言うよりは、世界の大企業。日本人でも知っている有名企業が並んでいます。

セクター別の構成比率

セクター 割合
消費財 14.9%
テクノロジー 14.3%
金融 13.7%
ヘルスケア 13%
資本財 12.7%
石油・ガス 9.3%
公益 7.8%
消費者サービス 5.7%
通信サービス 5
素材 3.6

 

上記の構成比率で大部分を占めているのが、消費財(14.9%)、テクノロジー(14.3%)、金融(13.7%)、ヘルスケア(13%)です。

一般的に消費財・ヘルスケアは不況時に強く、テクノロジー・金融は好況時に強いと言われています。その他を見ても非常にバランスよく分散されているのが分かるかと思います。

S&P500とのパフォーマンスを比較

リーマンショック以前から月足ベースで比較するとS&P500に軍配が上がっています。とは言っても値動き自体はほぼ同じ。S&Pは大型株500銘柄から構成されているのに対し、VYM428銘柄です。構成銘柄は少ないとは言え、被っている部分も多いので、似た動きをするのは当然の事なのです。

ちなみに、月足ベースでリーマンショックの前からのパフォーマンスを比較すると上記のようなりますが、期間を変え、月足を週足で見てみると次のようになります。

VYMがS&P500を上回っている場面も見られます。あくまでも長期投資として見る場合は短期的な値動きに捉われる必要はありませんが、VYMは配当による利益だけではなく売却益も狙えるETFでもあるということが分かるかと思います。

配当金を再投資に回していくと、パフォーマンスはまた違った結果になってくるでしょう。

HDV【iシェアーズ・コア 米国高配当株ETF】

HDV基本情報【2017年6月18日時点】

ベンチマーク モーニングスター配当フォーカス指数
設定日 2011年3月29日
純資産総額 6,404.4(百万米ドル) 
構成銘柄数 75
経費率 0.08%
分配利回り 3.22%
配当日 年4回(3月・6月・9月・12月)

経費率はVYMと同じ0.08%です。100万円で800円ですからかなりお買い得ですね。

分配利回りは3%超えの3.22%。ETFの3%超えはかなり魅力的です。

純資産は他の人気ETFに比べ少ないような気もしますが、設定日が2011年であるという事を踏まえると何ら問題ありません。また、売買をする上での流動性も十分です。

HDVの組入銘柄上位10株【2017年3月時点】

エクソンモービル(XOM) 8.33%
AT&T(T) 7.38%
ジョンソン&ジョンソン(JNJ) 6.14%
ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ) 5.89%
シェブロン(CVX) 5.23%
ファイザー(PFE) 4.86%
フィリップモリス(PM) 4.68%
プロクター・アンド・ギャンブル(PG) 4.48%
コカ・コーラ 3.85%
メルク・アンド・カンパニー 3.27%

 

ヘルスケアや生活必需品などの不況時でも強い銘柄の比率が高いことが分かります。

セクター別の構成比率

セクター 割合
生活必需品 22.32%
エネルギー 15.93%
ヘルスケア 14.15%
電気通信 13.09%
資本財 12.01%
情報技術 11.72%
公共事業 5.18%
資本財 5.68%
一般消費財 4.24%
金融 1.06%
キャッシュ等 0.29%

 

 

HDVの大部分を占めるのはエネルギー・生活必需品・ヘルスケアです。どれも不況時には堅調なセクターになりますが、エネルギーに関しては昨今の需給面での影響も色濃く反映されているため注意をしていく必要があるかもしれません。

S&P500とのパフォーマンスを比較

月足ベースでの比較になりますが、上記の期間設定で見るとS&Pがパフォーマンス的には勝っています。もちろん、期間を変更すれば比率は違ってきます。

また、この期間はリーマンショック後から復活するために、政府は金融緩和を行い、その結果NYダウやナスダック、S&Pをはじめとする主要指数が順調に伸びてきたという背景があります。

対して現在のアメリカは利上げによる金融引き締め政策を進めています。そんな時にこそ、ディフェンシブセクターの割合が多い、HDVの真価が発揮されるかもしれません。

VYMとHDVを比較する

VYMとHDVの基礎的事項を確認した上で、両者の比較をしていきます。

純資産総額

VYM:18,065.9(百万米ドル) 

HDV:6,404.4(百万米ドル) 

ETFにとって純資産総額はそれなりに重要な意味を持っています。純資産の減少は出来高の減少を招き、流動性が少ないという事は取引が成立しづらく、ベンチマークとの乖離の進む原因にもなります。こういった自体が起これば、ETF自体の維持が困難となり、上場廃止のリスクが高まります。

ETFの上場廃止リスクは個別株とは全く違うものの、長期投資を目的として保有している場合、繰上償還というのはあまり宜しくない事態です。

しかし、純資産に限って見ればVYMもHDVもこの問題について心配する必要は全くありません。VYMの設定は2006年、HDVは2011年であることからも、この純資産の違いは仕方がないと言えるでしょう。

構成銘柄数

VYM:428 

HDV:75

分散と言う観点で見れば、VYMに軍配が上がります。しかし、分散は多ければ多い程良いという訳でもなく、その内容も重要となってきます。どちらも構成銘柄自体は非常に優良な企業を集めていますので、単に数だけ見て優劣の判断をすることは出来ません。

経費率

VYM:0.08%

HDV:0.08%

どちらも0.08%です。他のETEと比べても低コストです。

 

分配利回り

VYM:2.89%

HDV:3.22%

将来に渡って買い増しをしていき、配当金目的で保有することを考えれば、3.22%という数字は非常に魅力的です。ここから株価が下落し、さらに利回りが向上すればより投資の旨みが増すでしょう。

VYMとHDVのセクター別構成比率を比較

VYM HDV
セクター 割合 セクター 割合
消費財 14.9% エネルギー 20.11%
テクノロジー 14.3% 生活必需品 18.71%
金融 13.7% ヘルスケア 16%
ヘルスケア 13% 情報技術 13.16%
資本財 12.7% 公共事業 7.48%
石油・ガス 9.3% 金融 7.48%
公益 7.8% 電気通信 7.32%
消費者サービス 5.7% 資本財 5.68%
通信サービス 5% 一般消費財 3.70%
素材 3.6% キャッシュ等 0.27%

 

先ほども述べように、VYMは好況上、不況時に強い銘柄の比率もバランス良く割り当てられています。対してHDVはディフェンシブ銘柄の割合がVYMに比べ高くなっております。

ディフェンシブ銘柄は、景気動向に左右されにくい・安定的な業種であるという特徴があります。将来永続的に保有し続け、インカムゲインを基本戦略とするならばHDVの方が優れていると言えそうです。

VYMとHDVの推移を比較

単純に比較すると上記のようになりますが、これに配当金を加味すると結果は少し違ってくるはずです。

そもそもHDVの設定は2011年で、この時期は金融緩和政策によってアメリカの主要指数が軒並み上昇を続けている強気相場の真っ最中です。

相場の傾向を考えれば、ディフェンシブ中心のHDVよりも、VYMの方が高いパフォーマンスを誇るのは自然の事です。例えば、相場全体が下落トレンドの中でのHDVの値動きなどがデータとして比較できれば、もう少し面白い考察が出来たのかなと思います。

まとめ

両ETFを比較したところで、完璧な正解は見つかりません。しかし、それではこの記事を書いた意味が無いので、私だったら何を基準にするか、と言う観点に基づいて検討していきます(実際には両ETFとも購入しています)。

そもそも、生涯買い増しを続け、売る事もなく、配当を貰い続けると言うならばHDVは魅力的であると言えます。現時点で3%を超える利回りですから、株価が下落すればさらに利回りが上昇し、取得単価を低くする絶好の買い場となります。ディフェンシブ銘柄が多く組み込まれているという点でも、安心して持ち続ける事が出来ます。

一方で配当金を貰いつつ、チャンスがあれば売却益も得たいという場合はVYMが適していると言えます。両ETFを比較した場合、S&P500に違い値動きをし、相場全体が強気の時に一緒に力強い上昇を見せるのはVYMだからです。VYMなら高配当な上、売却益も狙えるというメリットも非常に魅力的です。

判断基準として明確に上げる事が出来るのは以上になります。両ETFともとても素晴らしいETFです。いくら悩んでも、最適な回答と言うのは見つからない事でしょう。あえて言うならば、その人の考え方が最適解です。どうしても決められないというならば、両ETFをバランスよく購入するという手もあります。

いずれにせよ、どちらも高配当系のETFとしては優秀です。セクター割合と保有銘柄の割合で好みな方を選べば良いでしょう。

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