トヨタ自動車【7203】の株価・銘柄分析

トヨタ自動車はトヨタグループの中核企業であり、日本人ならば誰もが知っている有名企業です。時価総額は20兆円を超えており、この数字はCPUで有名なインテルや、ペプシコーラでお馴染みのペプシコに匹敵する額です。

また、世界の自動車業界を見渡してもトヨタは群を抜いており時価総額で見ると、メルセデスベンツで有名なダイムラー、フォルクスワーゲン、BMWを上回っています。

そんな日本を代表するトヨタ自動車。今回は同社をファンダメンタルズ及びテクニカルの視点から分析していきます。

トヨタ自動車の基本情報

トヨタ自動車は、自動車の製造及び販売を行っている企業で、設立は1937年8月22日、東京証券取引所上場は1949年5月16日です。この他、ニューヨーク証券取引上にも上場しています。

同社はトヨタグループの中核企業で、この他にダイハツ工業、日野自動車、トヨタ自動織機、デンソー、豊田通商、トヨタ紡織などが存在します。

トヨタグループ全売上の91%が自動車関連、7%が金融、その他が3%となっています。海外売上比率は75%となっており、トヨタ自動車の株価が為替に振り回されるという理由もお分かりいただけると思います。

トヨタグループの全体の地域別販売台数【単位:千台】

昨年度と比較すると、販売台数は伸びています。

同業他社である、日産自動車、ホンダと株価指標を比べてみると…【20017年9月25日時点】

  トヨタ自動車 日産自動車 ホンダ 輸送機器全体
株価 6,784 1,155 3,362
PER 11.53 8.45 11.12 13.20
PBR 1.13 0.92 0.81 1.22
EPS 588 136 302.39
BPS 6,008 1,249 4,545
配当利回り 3% 4.59% 2.86% 1.95
 格付け(S&P)  AA-  A  A+  -

※PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)は一般的には低ければ低い程割安と言われています。ただし、単に投資家達の期待が低いだけと言う可能性もあるので注意。

※EPSは1株当たりの利益、BPSは1株あたりの純資産を表しています。なお、PERとEPSの計算に使う利益は予想値を使用しています。

指標だけ見れば割安かと思いきや、業界全体を見渡すと案外普通であることが分かります。PER、PBRの割安度は絶対値で見るのではなく、同業他社、業界全体を比べる事が望ましいです。

日本企業と言うと、アメリカ企業に比べ、株主還元の意識が低いというイメージがあります。しかし、上記3社に関しては配当利回りだけ見れば、それなりの高配当銘柄と見る事が出来ます。

配当利回りが3%台、比較的割安な指標、日本有数の大企業、これだけ見ればトヨタ自動車は長期投資の対象としても相応しいような気もします。しかし、為替に振り回される株価を考えてしまうと、素直に買いには向かえないというのが本音です。そもそも日本株による長期投資は全く考えていませんが(笑)

国内自動車産業は衰退を辿るのか?

都市部では公共交通機関の発達から車そのものが不要となってきています。また、若者の車離れも進み、免許取得率も徐々に低下しています。

一方で、地方で暮らす人にとって車は生活に必須のアイテムである事に変わりありません。

国内新車販売台数推移

1990年のバブル末期をピークに国内の新車販売台数は減少傾向にあります。それと同時に全体に占める軽自動車の割合は上昇しています。

このデータを見ると、ステータスとしての所有から、実用性を考慮した上での所有にシフトチェンジしてきているのではと考える事も出来ます。

高級車はステータスの一部。社会人になったまずは車を購入。一概には言えませんが、このような考え方をする人は昨今の日本において少しづつ減少傾向にあるのかもしれません。

ちなみに、投資家としての側面から見た場合、車の所有は明らかなマイナスです。お金持ちならともかく、私のような薄給リーマンは投資資金捻出のため、支出を可能な限り減らす必要があります。

所有しているだけで経費がかさむ車は投資資金確保の面では大敵と言えるのです。

しかし、日本国内で見れば販売台数減少傾向の自動車産業も世界規模で見れば、拡大の余地は十分にあります。よって、自動車産業の発展が望めない国ではなく、今後、大幅な需要が見込める国でどれだけシェア数を伸ばしていけるのかがカギとなりそうです。

ファンダメンタルズ分析

トヨタグループ全体の財務情報の中から、重要なものをいくつかピックアップし、検証してみます。

株価と純利益

株価は投資家の期待を織り込みながら推移すると言われていていますが、長期的に見れば業績と連動することは紛れもない事実です。

稀に業績と連動しない時(バブル等)もありますが、最終的には大まかな相関性を保ちながら推移して行きます。

リーマンショック以降、急激に落ち込んだ業績も時間と共に回復。合わせて株価も上昇し、リーマンショック後の経済低迷&円高による業績圧迫から十分に立ち直ったと言えるでしょう。

上記のグラフを見ても分かるように、業績と株価はおおむね連動しています。

損益計算書

リーマンショック後の2009年にはマイナスを計上していますが、近年は回復傾向。営業利益率もリーマンショック以前の水準まで回復しています。

ちなみに、自動車メーカー大手3社のトヨタ、日産、ホンダの営業利益率を比較すると以下のようになります。

2014年~2016年はトヨタ自動車が頭一つ抜けていましたが、現在はどの企業もおおむね4%~10%内で推移しています。営業利益率は売上に占める営業利益の割合。営業利益とはいわゆる本業で稼いだ利益の事ですから、この数字は非常に重要となります。自動車企業が自動車売って利益を出していなかったら話になりませんからね。

貸借対照表

貸借対照表はある時点での会社の持ち物リストです。トヨタ自動車の決算日は3月末ですから、その時点でのトヨタグループの財務状況を表したのが貸借対照表になります。

例によって、同業他社(ホンダと日産)と比較してみます。財務諸表を見る際は、対象の企業だけでなく、同業他社と比較することで分析をするべきです。

トヨタグループはバランスシートの大きさが日産とホンダ2倍以上です。流動資産に対して流動負債がほぼ同水準ですが、全体を通してみれば、財務的に際立った問題はないでしょう。

貸借対照表を見る上で重要な指標を他社と比較してみると

  トヨタ 日産 ホンダ
総資産 49,456,031 18,491,144 19,044,311
自己資本 17,874,283 4,887,019 7,471,894
自己資本比率 36.1% 26.4% 39.2%
ROE(株主資本利益率) 10.6% 13.8% 8.8%
資本金 397,050 605,814 86,067
利益剰余金 17,883,709 4,390,169 6,877,387
有利子負債 19,577,583 7,883,852 6,849,662
有利子負債依存度 39.29% 41.89% 35.92%
流動比率 102.97% 162.49 120.75%

 

自己資本比率は総資産に占める自己資本の割合です。自己資本比率の割合が高いという事は、相対的に負債が少ないという事です。よって、この数値は高ければ高い程財務健全性が高いと言われています。目安としては40%を超えていれば優秀と言われていますが、トヨタは36%という事で、まあ普通と言ったところでしょう。

今後、大幅な成長が見込める新興企業ならばこの数字が少なくても、ある意味仕方がないと考える事が出来ます。しかし、トヨタ程の成熟企業ならば、最低でもこの程度の水準をこれからも維持してもらいたいものです。

流動比率は、流動資産と流動負債の比率です。現金化しやすい流動資産に対して、迅速な支払いが求められる流動負債がどの程度あるのかを表しています。企業が倒産するのは、赤字を計上した時ではなく、明日の支払いが不能となった時ですから、この流動比率は高い方が望ましいのです。

流動比率の理想は200%と言われていますが、もう少し現実的に考えても140%程度は欲しいところです。トヨタ自動車の流動比率は他社と比べても若干低めです。あくまで一つの参考にしかなりませんが、大まかな目安にはなるでしょう。

1株当たりの営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは本業で得た利益の事です。売掛金等の未回収分は計上されていませんが、この項目はプラスでなければなりません。

自動車会社が自動車売って得たお金が営業キャッシュフローと考えればよいでしょう。

EPS、BPS、営業CF共に近年は横ばい推移となっていますが、リーマンショックからはほぼ完全に立ち直った感が見て取れます。

配当指標

リーマンショック後は利益減少から減配を余儀なくされましたが、近年は安定した配当を出しています。

配当性向は利益の内どの程度を配当に回しているかを表した指標です。トヨタは成熟企業とは言え、事業内容自体は常に設備投資が求められる分野でもあります。

よって、配当性向だけを見れば、まだ配当金に回す余地があるとは言え、企業の成長と言う観点に立てば妥当な水準とも考える事が出来ます。また、このところの配当利回りが3%前後で推移している事を考慮すれば、十分株主還元を実施していると言えます。

テクニカル分析

ファンダメンタルズ分析の次はテクニカル分析です。小難しい分析は意味が無いので、ザックリといきます。

トヨタ自動車月足チャート

トランプ大統領の当選から円安が進行し、合わせて日経平均株価、トヨタ自動車共に上昇してきたものの、2015年5月につけた8,700円台への道のりはまだまだ厳しそうです。

輸出企業自体が、生産工場を海外に建てたり、為替ヘッジするなどして円高の耐性が少しづつ付いてきているとは言え、株価上昇のためにはさらなる円安進行が望ましいのは言うまでもありません。

トヨタ自動車日足チャート

年が明け、一旦は下降相場入りを伺わせるような動きをしたものの、ドルの上昇と共に急回復。

今度どれだけ上場するかは分かりませんが、直近の目標は昨年12月に付けた7200円台でしょうか。いずれにせよ、株価上場のためには円安の進行が必須条件となります。

トヨタ自動車で言えば、75日移動平均線が支持線・抵抗線の役割をしている箇所が結構あります。仮に下落したとしても、このラインで反発するか否かに注目したいところです。

まとめ

トヨタ自動車を分析した結果、同銘柄を買うのかと聞かれれば答えは「ノー」です。基本的に長期投資はアメリカETFと決めているので、日本株に手を出すことは今後もないでしょう。

しかし、スイングトレードならトヨタ自動車は比較的トレードしやすい銘柄と言えます。理由は、日経平均株価、ドル円とそれぞれ相関性が強いからであり、物差しが多いからです。

トヨタグループ全体で見ると、比較的業績は安定しているようにも見えますが、今後のカギとなるのは海外でどれだけシェアを高めていけるのかに尽きるでしょう。

個人的には水素自動車「MIRAI」の行方が気になります。本体価格7百万以上という、なかなかのお値段ですが、今後普及は進んでいくのでしょうか?

しかし、車本体普及のためには水素ステーションの増設が必要不可欠となります。政府の支援もあるとは言え、設置に掛かる費用が億単位である事を考えると、MIRAIの未来は険しい道のりかもしれません。

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