日経平均株価25年ぶりの高値でも個人投資家は損をしている。

日経平均株価が25年10ヵ月振りに高値を更新しました。さぞかし、日本株に投資をしている個人投資家もウハウハかなと思ったら、実はそうでもないようです。

もちろん、個々で見れば儲かっている人はいるでしょう。しかし、個人投資家全体で見た場合、傾向的には損失を出している人の方が多いように感じます。

今回はその理由をお話していきます。

現在の日経平均株価を確認

北朝鮮のミサイル発射問題等の地政学的リスクを物ともせずに力強い上昇を見せる日経平均株価。まずは現在の日経平均株価の置かれた状況を確認してみましょう。

日経平均株価日足チャート

レンジからの下抜けかと思われましたが、その期待を見事裏切るように上昇する日経平均。短期で見たらアメリカ市場よりも高リターンを叩き出しています。

さて、25年ぶりの高値とはいったいどういう事か、次はもっと長期の視点で日経平均を見てみましょう。

日経平均株価月足チャート

これを機に長らく続いたレンジからの脱出なるか、と希望的観測をしたくなる上昇ではありますよね。

前回のアベノミクスによる2万円台回復は、チャイナショックにより急落を向かえることになりましたが、その高値を超えたという事実は何を意味しているのか?

さらなる上昇相場への序章に過ぎないのか。

それとも今が天井なのか。

2020年にオリンピックを控えている事、日本の企業の業績自体が良好的であるという事を考えれば、前者の可能性も否定出来ません。

とは言え、正確な予想をすることは不可能。

という事で、タイトルの通り、この上昇相場で個人投資家はどういう売買をしているのか。これについて検証してみたいと思います。

投資主体別売買動向と日経平均株価

投資主体別売買動向の中でも特に意識するべき点は、海外投資家の売買状況です。相場においては、理由が何であれ買い圧力が強ければ株価は上がりますし、売り圧力が強ければ株価は下がります。

すなわち、大口投資家の売買は短期的なトレンドを形成します。特に東証一部に関しては海外投資家のシェアが6割~7割ほどもあり、個人投資家は1割~2割となっています。反対にマザーズ等ではこの割合が逆転し、海外勢1割~2割、個人投資家6割~7割となっています。

この理由は単純に、莫大な資金力を持つ海外投資家はマザーズ等の小型株では売買しずらい事、その資金力を吸収できる大型株に資金が集中することが挙げられます。

順張り戦略をとるならば、この海外投資家の動きについていくというのが非常に重要にはなりますが、投資主体別売買動向の公表自体が週に1回であるため、活用するには少々難易度が高いです。

まずは、2015年1月からの個人投資家と海外投資家の売買状況を確認してみます。

ご覧にように、個人投資家、海外投資家の総計を見てみると、全く逆の動きをしていることが分かります。

海外投資家が買い越している時は個人投資家が売り越し、海外投資家が売り越している時は個人投資家が売り越しています。

では、個人投資家と海外投資家の取引と日経平均株価の関係を確認してみます。

海外投資家と日経平均株価

海外投資家が買い越し傾向の時は日経平均株価も上昇、売り越しの時は日経平均株価も下落。

そこには明らかな関係性が見て取れます。

個人投資家と日経平均株価

個人投資家がせっせと買っている時は日経平均株価は下落、売っている時は日経平均株価は上昇。

悲しい事に、こちらにもそれなりの関係性が確認できます。

そして、直近の売買状況をピックアップしてみると

期間 個人投資家 海外投資家
2017/9/29 -232633 201791
2017/10/6 -375195 657540
2017/10/13 -347534 459397
2017/10/20 -495529 445202
2017/10/27 -595122 670365
2017/11/2 -132600 52890

 

さてさて、この取引の違いが何を意味しているのか?

日経平均株価と個人投資家(6月~11月)

明らかに日経平均株価の上昇に乗り切れていません。

もっと言えば、日経平均株価上昇による逆張り戦略、空売りを仕掛けているのではと読み取る事さえ出来ます。

日経平均株価と海外投資家

海外勢は株価上昇に見事に乗り切れています。短期的なトレンドを作り出すのが海外勢であるとするならば、「乗り切れている」という表現自体が適切ではありませんが、言い方を変えれば、個人投資家は海外投資家にカモられているという事になります。

個人投資家が株価上昇に乗り切れない理由

個人投資家も馬鹿ではありません。故に日本株は上がったら下がる。急上昇の後にはその分の下落があるという事を過去の経験から学んでいます。

急上昇する株価とそれに乗り切れない自分。ポジションを持っていないのだから損はしていませんよね。

でも心理的には機会損失、儲けるチャンスを見逃したという後悔が残り続けます。でも、今から買いで入るのは如何なものか。既に株価は高値圏内。この後には暴落が必ず来る。そう思った投資家は空売りを仕掛けます。しかし、悲しいかな。ショート作戦は見事に敗れ去り、怖くなった投資家は空売りポジションの清算、つまり買戻しを行うのです。

これにより買い方が優勢となり、株価は一段高を見せます。

もちろんケースバイケースですが、急上昇からのさらなる一段高の背景には、空売り勢達の踏み上げによる買戻しが一因となっているのです。

バブル崩壊後の日経平均株価は2万円前後を天井としてのレンジ相場ですから、その上限に達したとあらば空売りしたくなる気持ちは分かります。

しかし、その心理すらも一部のプロには読まれているかもしれません。

総じて個人投資家は株価上昇に懐疑的です。

「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観とともに成熟し幸福のうちに消えて行く」

理解は出来ますが、実践は出来ません。なぜなら、今どの状況に置かれているかは後になって初めて分かる事だからです。

今の相場は悲観的なムードが漂っているのか、はたまた懐疑の目で見られているのか。それが客観的に判断できれば天才投資家です。

日経平均株価が過去最高となる16連騰を記録した裏には、上昇に乗り遅れ悔しい思いをした個人投資家がたくさんいるのです。

まとめ

じゃあ、それを踏まえ今後の日経平均株価はどうなるのか?

残念ながらそれを予測することは困難です。

確かに、株価上昇と逆張りによる空売り、それに伴うさらなる上昇と空売り派の買戻し、これら攻防が一段落すれば一時的な調整を向かえる可能性は十分にあります。

しかし、その調整が単なる押し目で終わるのか、本格的な下落相場への序章に過ぎないのかは誰にも分かりません。

投資主体別売買動向自体も、過去を振り返る際に「海外勢が買えば株価は上昇するの、個人投資家はカモに過ぎないの」とデータを元に説得力のある回答を用意する程度にしかなりません。

確かに、海外勢が買い越していた期間は日経平均株価も上場しています。でもこの傾向が今後も続くは予想出来ません。仮にこの投資主体別売買動向という統計自体が週ごとの発表ではなく、毎日公表されるものだったら、多少話は違ってくるかもしれませんが。

私自身も短期売買をやっている時から、この統計には注目していました。しかし、それで具体的な戦略を立てるというよりかは、大まかな方針を決める際に参考とするだけです。

今回だって、偉そうに解説しましたが、結局は後出しジャンケンで上手く辻褄を合わせているだけですからね。

いずれにせよ、参考程度にはなります。投資主体別売買動向は頭の片隅に入れておいても良いかもしれません。

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