移動平均線とグランビルの法則を使ったシンプルで実用的な手法【買い編】

移動平均線の基礎知識

移動平均線はテクニカル指標の中で最もメジャーであり、ほぼ全てのチャートソフトにデフォルトで設定されています。

移動平均線は一定期間における株価の終値を折れ線グラフで表示したものです。

期間は色々ありますが、

日足なら、5日・25日・75日・200日

週足なら、13週・26週・52週

月足なら、12ヵ月・24ヵ月・60ヵ月

以上が標準的な期間であり、多くの投資家達が注目していると言えるでしょう。

投資家達に意識されている移動平均線はその時々により違いますが、移動平均線の向きを見る事によって、株価の現在のトレンドというものが一目で分かります。

移動平均線は支持線や抵抗線の役割もある

移動平均線は時として、下値支持線や上値抵抗線としても機能します。

株価が移動平均線より上で推移していれば上昇相場、この時に移動平均線は下値支持線としての役割を果たします。

株価が移動平均線の下で推移していれば下降相場であると判断します。
この時は、移動平均線が上値抵抗線となり、株価は移動平均線に抑え込まれるような動き方をします。

逆の言い方をすれば、これまで75日移動平均線の上で推移していた株価が、移動平均線を割り込む動きをしてきたら、下降相場突入の可能性も視野にいれる必要があるという事です。

移動平均線だけでも利益は取れる

上向きの移動平均線を、ローソク足が下から上に抜けたら買い、上から下に抜けたら売る。
実はこれだけも利益は取れます。
しかし、長期の移動平均線が上向きという事が絶対条件です。

まずは、下記のチャートをご覧ください。

トヨタ自動車の日足チャート
22

ソニーの日足チャート
33

 

ここで基準としているのは75日移動平均線です。

このラインを上記のチャートのように活用するだけも利益は取れるのです。

しかし、一つ目のトヨタ自動車の場合、ローソク足が移動平均線を上から下に抜けるのを待って売るよりも、株価が上がりきった時に売れば、利益を多く取れるのではないかと思うはずです。

実はこの方法については以前の記事でお伝えしているのです。

詳しくは、「MACDは利益確定のタイミングを知る上では意外と役に立つ」をご覧ください。

なぜ75日移動平均線を基準に考えるのか

いくつか種類がある中で、なぜ75日移動平均線を使用するのかと言うと、「だまし」が少ないからです。

今回の手法で移動平均線に求めているものは「現在のトレンドを明確に教えてくれること」です。

株価が上昇トレンド、下降トレンド、停滞期、いずれかの状態にあるかの判断基準として移動平均線を使用しています。

25日だと直近の急な動きに左右されるますし、200日だと緩やか過ぎてスイングトレードには活かしづらい。
ほとんどのチャートソフトに標準搭載されていて、なおかつ有効に機能してくれる期間として75日を基準としているのです。

また、「株価が75日移動平均線に戻ってこない時は、どのタイミングで買えば良いのか」と疑問に思う方もいるかと思います。
この方法についても後程説明いたします。

ここからは、移動平均線を使った売買手法をより深く理解するために、グランビルの法則について解説していきたいと思います。

グランビルの法則

グランビルの法則は、アメリカの株式アナリストであったジョゼフ・E・グランビルさんが考案したもので、移動平均線と株価の位置から、売買ポイントを見極める手法として広く知られています。

グランビルの法則では株価は三段の上げを繰り返し、その後三段の下げを繰り返すことで1サイクルとし、そのサイクルの中に買いが4回、売りが4回の、計8回の売買ポイントと考えられています。

1

売買ポイントについては、解説する人によって若干の違いがありますが、基本的な考え方は全て一緒です。

買いポイントの基本は、上向き(若しくは上向きになりかけている)の移動平均線に対して、株価が下から上に抜けた時、若しくは移動平均線付近での反発を確認した時です。

売りポイントの基本は、下向き(若しくは下向きになりかけている)の移動平均線に対して、株価が上から下に抜けた時、若しくは移動平均線付近での反発を確認した時です。

もう一つは、「売1」の時のように、株価が移動平均線と大きく乖離している時です。
株価は移動平均線とのかい離が進むと、それに戻ろうとする力が働きますので、この習性を利用します。

グランビルの法則を実際のチャートに当てはめる

グランビルの法則では、株価の三段上げと三段下げを1サイクルとして考えると述べました。

しかし、三段下げを終えたからと言って、その後すぐに三段上げがやってくるわけではありません。

株価は上昇→下降のサイクルを終えると、停滞期がやってきます。
この停滞期から抜け出さない限り、再び上昇相場がやってくる事はありません。

ではグランビルの法則が実際に当てはまっているのか確認するために、いくつかのチャートを見てみたいと思います。

日経平均株価日足チャート
12

 

ファーストリテイリング日足チャート
5

 

トヨタ自動車日足チャート
52

 

コマツ日足チャート
45

全て東証一部、日経平均株価採用銘柄のチャートですが、コマツ以外はほぼグランビルの法則に当てはまった動きをしているのが分かると思います。

細かい上昇を一括りにしてカウントすれば、大まかに3段上げを繰り返し、その後三段下げによる下降を見せていることが分かるかと思います。

もちろん、グランビルの法則に当てはまっていない銘柄もたくさんありますが、現在の株価の位置を知るという意味では、この法則に似たような値動きをする銘柄を選定するというのも得策なのではないかと思います。

グランビルの法則の活用方法

下降トレンドだった株価が、停滞期へと移行し、株価が75日移動平均線を下から上に抜けたら、グランビルの法則で言うところの上昇一回目に突入した可能性があると考えます。

ちなみにここからは、上昇1回目の事を便宜上「初動」と呼ぶことにします。

初動の後に必ず上昇2回目がやってくるとは限りません。
細かい初動を何度も繰り返した上で上昇に2回目に突入する可能性も大いにあります。

ファナックの日足チャート
2

上記のチャートでは、初動を何度も繰り返した後に、上昇2回目へと突入しているのが分かるかと思います。

上昇2回目以降は上げ幅も大きい分、適切に売買すれば利益を大きく伸ばせるポイントでもあります。
また、上昇が3回を超えたら、「そろそろ三段下げに突入する可能性があるのではないか」という事を意識しながらトレードします。

もちろん、下降トレンドに入らずに、さらなる上昇を目指す可能性もありますが、急落の意識をしておくだけで、その後の対応に大きな差が出てきます。

逆指値注文を使いこなす

上昇1回目(初動)での買い戦略

上昇の1回目の段階では、75日移動平均線が横ばい、若しくは若干下向きです。

冒頭でも述べましたが、基本は上向きの移動平均線を株価が抜けた時です。

つまり、上昇の2回目から買いポジションを持つのが理想的なのです。

しかし、現実問題として、戦略的にそれを実行することは無理に近いので、グランビルの法則の初動から買いを仕掛ける事になります。

例えば、現在の株価が290円で、75日移動平均線が300円であったとします。
移動平均線を株価が抜けた時、つまり301円になったら買いたいという注文を出すわけです。

だからと言って、日中からずっとチャートを眺めているわけにはいきませんし、平日働いているサラリーマンには不可能です。

そんな時に役立つのが、逆指値注文という注文方法です。

これにより、「株価が300円以上になったら、301円で買う」というような注文を出すことが出来ます。
前の日の夜に注文を出しておけば、日中に自動的に買い付けを行ってくれるのです。

後は、時間がある時に注文が約定したかどうかを確認するだけです。

この逆指値注文と言う機能は、ほとんどのネット証券のツールで標準搭載されています。

上昇2回目の買い戦略

上昇2回目は最も上げ幅が大きくなる局面です。

初動後、若しくは初動を何度か繰り返した後は、株価が移動平均線付近で反発したことを確認して買いを仕掛けます。

もちろん、初動後に株価が再び移動平均線を下回ってしまった場合は、移動平均線を株価が抜けた時に買うという戦略で問題ありません。

では、株価の反発というのはどのようにして見分ければ良いのでしょうか。

そんな時に役立つのがトレンド転換ラインです。

トレンドラインの引き方

1.調整期間中(押し目)の高値と安値のローソク足を探します。

1

2.高値のローソク足から真横に向かって線を引きます。

2

3.その線を期間中の安値に向かって、いずれかのローソク足の実体に当たるまで降ろしていきます。

そこがトレンド転換のラインとなります。

3

4.その後、トレンドレラインを株価が超えて来たらトレンド転換が完了したと判断します。

4

後はトレンド転換ラインの基準となったローソク足の株価で逆指値注文を仕込んでおくだけです。

ちなみに、トレンド転換のラインは何度も引き直す必要があり、全てが今回のように綺麗に引けるわけではありません。

上昇3回目以降の買い戦略

基本的には上昇2回目と同じで構いませんが、上昇が4回を超えた辺りからは急落の可能性も視野に入れ、トレードをする必要があります。

冒頭で説明した通り、上向きの75日移動平均線を下から上に抜けたら買って、上から下に抜けたら売るというのを忠実にこなしていれば、大きな損失を被ることもありませんし、塩漬けにすることもありません。

しかし、そう上手くはいかないのが相場です。

ある程度の経験が必要になってくるのもそのためです。

上昇の勢いが強い局面では25日移動平均線で反発することもある

基本は、75日移動平均線を基準に考えますが、上昇の勢いが強い相場(グランビルの法則に当てはめると上昇2回目)では25日移動平均線を支持線として反発するようになります。

日経平均株価は日足チャート
8

このような時は流れに逆らわずに25日移動平均線での反発を確認してから買うようにします。

大切なのは、反発を確認してから買う事=順張りであり、反発を予想して買う=逆張りをするのは止めておきましょう。

個別銘柄を売買する時も日経平均株価の動きに注視する

私は基本的に、東証一部上場の銘柄を主として売買しています。

日経平均株価やTOPIXは相場全体の勢いを知る上でとても重要な役割を果たしますが、今回の移動平均線を使った売買手法を行う上でも非常に大切になってくるのです。

例えば、監視していた個別銘柄が絶好の「買いポイント(ここで言う買いポイントとは、75日移動平均線を株価が抜ける瞬間の事)」に来ていたとします。

しかし、日経平均株価は75日移動平均線から、大きく上に乖離していたとします。

個別銘柄=買いポイント
日経平均株価=移動平均線との乖離の幅から考えて調整に入る可能性あり

このような時は、積極的にポジションを持つタイミングではありません。

個別銘柄で買いポイントであったとしても、日経平均株価の下落に引っ張られて一緒に下げる可能性があるからです。

相場とは面白いもので、日経平均株価が上がっているのに、保有銘柄は変わらず、なんて事はよくあります。

しかし、日経平均株価の大きな下げには多くの銘柄、日経225に採用されてない銘柄までもが、引っ張られてしまいます。

以上の事から、例え個別銘柄が絶好の買いポイントであったとしても、日経平均株価が一旦調整に入りそうな場面では様子見という姿勢をとった方が賢明かもしれません。

ポイント整理

今回の内容のポイントを整理します。

  1. 銘柄選定の際は、75日移動平均線が上向きのものを選ぶようにする。
  2. 上向きの75日移動平均線に対して、株価が下から上に抜けたら買い、上から下に抜けたら売りを実行すれるだけでも、理論的には利益が取れる。
  3. 移動平均線は時として、支持線や抵抗線の役割も果たす。
  4. 逆指値注文を上手く活用し、売買ポイントを見逃さない。
  5. ローソク足が既に75日移動平均線の上にある時は、トレンド転換ラインを引くことによって、買いのポイントを見極める。
  6. 利益確定のポイントはMACDにより判断する。
  7. 上昇の勢いが強い局面では、25日移動平均線が支持線となることもある。
  8. 75日移動平均線から大きく上にかい離している時は「買い」のタイミングではない。(株価は移動平均線に戻ってくる習性があるため)
  9. 上昇回数が4回目を超えた辺りから、下降トレンドへの突入も視野に入れ、トレードする。

まとめ

これまで解説してきた手法は、株の世界では広く知られている方法であり、上手く活用すれば大きな利益が上げられる方法でもあります。

しかし、実際にトレードをしていると、上手くいかないことがたくさん出てきます。
そんな時に役立つのが、これまでの経験や相場観です。

経験値が少ない投資家は、再現性の高い手法でも、相場に合わせて柔軟に対応させることが難しいのです。

多く人が、株(投資全般)に負ける素質を持っています。
これを克服しない限り、株の世界での成功はあり得ないのです。

ご不明な点がありましたら、コメント又はメールで遠慮なく質問してください。

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