兼業投資家のススメ【サラリーマン投資家が専業投資家よりも有利な理由】

専業投資家ってどうなの?

株式投資だけで生活出来たら、どんなに楽な人生を送れるのか。
毎日好きな事が出来る。
わずらわしい人間関係から解放される。

私も以前はこのように考えていた時期がありました。
本屋に行けばデイトレーダーと呼ばれる人たちが書いた本がたくさん並べられており、「1億円稼ぐ」などの見出しに、期待ばかりが先行していました。

時々、いくらあれば株一本で生活出来ますか?
という質問をされます。
相手の年齢にもよりますが、私はこう答えます。
「最低2億円は必要ですよ」
そんなにあれば、投資なんてする必要ないじゃないかと思うかもしれませんが、これが現実です。
2億円あれば、1億円は高配当の企業に分散投資して、長期間保有することで生活費を得ることが可能だからです。

2億円をどう運用してくのか

例えば、2016年9月28日現時点での、あおぞら銀行という企業の配当利回りは5.27%(会社予想)で1株当たり18.40円(会社予想)となっています。
9月28日時点の株価が349円なので、一億円で何株買えるかというと
100,000,000÷349=286,532
そして、あおぞら銀行の単元株数は1,000株なので、286,000ということになります。
286,000×18.40(1株当たりの配当金)=5,262,400
ここから税金が引かれることになりますが、約420万程は手元に残ることになります。
今回はあおぞら銀行のみで考えましたが、本来ならリスクヘッジのために複数の銘柄に投資をします。

そして、残りの一億円で売却益(キャピタルゲイン)を狙った運用をしていきます。
その利益は高配当銘柄の購入に充てます。
生活費は配当金(インカムゲイン)から捻出してくのが、基本スタイルになります。

このサイクルが上手く行けば、それなりの生活が送れるのではないでしょうか。
生活費を配当金に頼ることで、相場の悪い時は休むという選択肢が使えるようになりますし、何もしなくてもある程度まとまった収入が確保されるということは精神の安定をもたらします。

キャピタルゲイン(売却益)のみで生活費を稼ぐことは可能か

インターネットに出回っている書き込みを見ると、専業への転身は一千万円くらいから可能といった意見を見かける事があります。
これについて現実的な意見を述べたいと思います。

まず一千万円では配当金を狙っての投資は出来ません。
必然的に日々の生活費を売却益から得る必要が出て来ます。
独身の場合で月にかかる費用を全て合わせて20万円だとします。
一千万円で20万円の利益を上げるには、毎月2%の利益を得られれば良いことになります。(ここでは税金を考慮に入れず話を進めます)
実はこの2%という数字は相場が良い時は、それほど困難な利益率ではありません。
むしろ、もっと高い利益率を得られる可能性もあります。

しかし、稼ぎやすい相場があれば、そうでない相場もあります。
そんな時でも売却益を生活費とする専業投資家は、トレードをしないわけにはいきません。
トレードをしない=軍資金を減らすということだからです。
地合いの悪い相場では損切の連続になる可能性があります。
売却益目当てのトレードでは塩漬け株を作るわけにはいかないからです。

当初一千万円で2%の利益で20万円を稼げたとしても、資金が800万円になると、20万円稼ぐためには2.5%の利益をあげる必要が出て来ます。
元手が減れば、それだけ大きく稼ぐ必要が出てくるわけです。
そして、時には大損することもあるでしょう。
負けを取り戻そうとすればするほど、ギャンブル要素が増し、負けた時の損失額が大きくなってくるのです。

結論として、一千万円で専業への転身は無謀であると考えられます。

デモドレードで100億円稼ごうが、現実世界では失敗する人が大半

FXや株でもデモトレードというものがあり、仮想マネーで投資の疑似体験をすることが出来ます。
結論から言いますと、デモトレードでいくら稼げたとこで、何の意味もありません。
デモトレードは取引ツールの使い方や、発注方法に慣れるといった使い方が適切であり、その他はただのゲームと何ら変わりありません。

人間は自分のお金がかかった途端に冷静な判断が出来なくなります。
苦労して働いて、貯めたお金ならなおさらです。
例えば、100万円分の株を買ったとして、2ヵ月後には80万円まで下がってしまったとします。

ここであなたはどうしますか?

泣く泣く損切をしますか?
株価回復を信じて保有しますか?

損切りをしてその後も株価が下がり続けたら自分の判断が正しかったと考えるでしょう。
損切りをした後、株価が徐々に回復していったらものすごい悔しい思いをするでしょう。

回復を信じて保有し、自らの思惑通り株価が上昇していったら、テンションが上がるでしょう。
保有し続けたにも関わらず、株価が下がり続けたら、精神的にも、経済的にも大きなショックを受けることになるでしょう。

これら全てが結果論です。

自分の思った通りに株価が動いたら、それは単なる偶然である。
自分の思い通りの動きをしなかったら、それが本来の実力である。
私は常にこう考えるようにしてます。

今は大抵のチャートソフトに様々なテクニカル指標が搭載されていて、テクニカル分析というものが以前よりも一般的になってきました。
テクニカル分析を学ぶことは投資をする上では必須ですが、勉強=勝ちに繋がるわけではありません。
しかし、正しい知識を付けることにより、大損する可能性は低くなるはずです。
私自身、大きな負けはほとんどなくなり、トータルではプラスの収支で安定しています。

最小の単元株数と、ある程度の資金を投じてのトレードも似て非なるもの

まずは最小の単元株数で感覚を身に付けよう。

この考えは間違ってはいませんし、いきなりまとまった資金を投入するよりも遥かに推奨できる理論です。
実際、東証一部上場企業の株でも3万円程度で買える銘柄はありますし、実際の資金を投入することで多くを学ぶことが出来ます。

では、実際にみずほフィナンシャルグループの株を例にとって考えてみましょう。
9月30日時点のみずほFGの株価は168円です。
単元株が100ですから、16,800あれば買えてしまうわけです。
100株購入し、数日後160円まで下がったとします。
購入金額 168×100=16,800
現在価格 160×100=16,000
差し引き800円の損失です。

この場合、800円なら微々たるものなので、心理的にも負担はないでしょう。

では、次に10,000株買ったと仮定して考えてみます。
購入金額 168×10,000=1,680,000
現在価格 160×10,000=1,600,000
差し引き80,000円の損失です。

このあたりになると、心理的負担が大きくなってくるのではないでしょうか。

あなたは何のために投資を行うのですか。
そう聞かれたら、大体の人が資産を増やすためと答えるでしょう。
たかだか、数百円の利益を求めて投資をするわけはないと思います。

感覚を身に付けるための最小単元株での投資、これはデモトレードと同じで操作の慣れという域を出ることはありません。
理論的には同じでも、利益を狙い、まとまった資金を投入することとは「メンタルコントロール」の面で大きな差が生まれるからです。

自分の中での買いポイントを予め決めておいたとしても、投入資金の額が多くなれば、即行動に移せなくなる。これが心理面に与える影響です。
損を嫌がる心理が行動力、判断力を鈍らせるのです。

専業投資家よりもサラリーマン投資家が有利な一番の理由

専業投資家が兼業投資家に絶対勝てないことは、「メンタルの安定性」です。

現物取引でやっている限り、全財産を失うことはまずありません。
例え、資産の大部分を失ったとしても、それとは別に本業を持っていれば、生活出来なくなるといったことはありません。
もちろん、額の多い損失はメンタルにも多大なストレスをもたらしますが、専業投資家の比にはならないはずです。

ここで損失を出したら、生活が出来ない。

このような心理状態では冷静な判断が出来なくなるのは当然のことなのです。

書店に行くと、株で儲けるといった類の本がたくさんあります。
ネットで検索すれば、株で生活しているといった人がたくさんいます。

それを見ていると、自分でも出来そうな気になってきてしまいます。
実際にトレードをした人だけが、株式投資の難しさを理解できるのです。

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