個人投資家は、目的・年齢・資金力によって戦略を変えるべき【アメリカETFで自分だけのポートフォリオを作る】

他人の投資戦略は大いに参考になります。今はネットで様々な個人投資家が運用状況をブログ等で公開している時代ですから、情報の取得は誰でも簡単に行えます。

しかし、ここで気を付けなければならないのは、他人の戦略を真似たところで、同じ結果を出すことは出来ないという現実です。

なぜなら、他人と自分では、年齢、資金力、何といっても投資を始めたタイミングが違うのですから。

他人のポートフォリオを真似たところで、取得単価や保有期間が違えばリターンは全く別のものとなるのです。

これから投資をしようと思っている方は、これらについてよく考え、自らに適した戦略を構築していくべきでしょう。

投資をする目的

投資をする目的は、お金を増やす事です。これは全国共通であり、揺るぐことはありません。

しかし、お金を増やすのが目的と一言で言っても、その中身は人に寄って違ってきます。

  1. 今すぐにお金が欲しい:短期トレードによる売却益狙い
  2. 将来を見据えた上での資産形成:バイ&ホールド戦略

言うまでもなく、1の場合はデイトレード~スイングトレードが主となります。1%の天才ならば、このスタイルでもひと財産築くことが出来るでしょう。

この場合の目的は、今すぐにお金を稼ぐことですから、長期投資みたいにのんびりしていられませんからね。頻繁な売買を繰り返し、利益を積み重ねていくほかありません。

具体的に短期トレードをどのような戦略で行なうかは、人によりけりですが、大まかなルールを設定しつつも投資家自身の裁量が大きく関わってくるのが短期トレードの特徴です。

前述したように、短期売買で成功するのは極僅かの天才だけです。繰り返しになりますが、誰でもトレードで利益を上げることは出来ます。勝つことは出来るんです。だけど、勝ち続ける事は出来ません。

デイトレーダー100人が一斉に取引を開始したとして、1か月後に残っているのは80%、3か月後は50%、半年後は20%と次第に減っていき、長期で利益を出し続けるのは10%未満と言う世界です。

私は短期トレードを批判するつもりは一切ありません。しかし、成功者の裏にはその何百倍もの敗者が存在する事実に目を背けてはいけないのです。

対して2の戦略はどうでしょうか?

長期の資産運用は高度で専門的な知識が無くても実践できなくてはなりません。そんな中にあって、我々個人投資家はどのような戦略を取ればよいのでしょうか。

世の中には様々な金融商品が存在します。しかし、長期で見た場合に最も高いリターンを上げているのは株式に他なりません。

もちろん、これは後述する資金力や年齢にも大きく左右されますが、長期を見据えての資産有用=比較的年齢が若いという前提条件を付け加えれば、株式系の優良ETFをポートフォリオの核にするのが適していると言えるでしょう。

投資を始める年齢

投資を始める年齢は若ければ若い程好ましいです。理由は簡単で、どのような投資戦略を取るにしろ、やり直しが可能だからです。

20代で全力投資した株式が紙くずになったとしても、働いていれば生活には困りません。精神が付いていくかは別ですが、高いお勉強代として考える事も出来なくはありません。

しかし、定年間近の人が高い成長を期待できる(と思われる)小型株に投資をするのは賢明な判断ではありません。なぜなら、少し銘柄選定を間違えただけで、資産の大部分を削られるというリスクが潜んでいるからです。これと同じ理由で、短期トレードも当然ながらおすすは出来ません。

以下、私独自の考えになりますが、年齢別の戦略について簡潔にまとめてみます。

20代

短期トレードで億り人を夢見る人はそれでも結構。しかし、ある程度の所で見切りを付け、別の戦略を主体とすべきです。まさに私自身の事です。仮想通貨などのマネーゲームに資金を投じるのも自由ですが、程々にすべきでしょう。

自分はトレードの才能があると思い、実際に本当にそうならば良しとしますが、束の間の勝利から勘違いをするようでは恐ろしい限りです。

20代から長期での運用を視野に入れるのならば、S&P500連動ETFに投資をし続けるというのが、最も簡単&明確であると思います。

ちょっと踏み込んで、シーゲル流により、成熟企業へ投資&配当も再投資という戦略を取るのも良しです。個別銘柄の選定はちょっと難易度高しですが、それに関しても、じっくりと勉強する時間がたっぷりとある20代投資家の強みと言えるでしょう。

高配当戦略が良いけど、個別銘柄はちょっと…そう思う人はETFを使った高配当戦略と言うのもあります。ブラックロックのHDVならシーゲル流を体現したような銘柄構成ですし、バンガードのVYMも長期保有に適した優良なETFになります。

ETFは、投資に掛かる時間を減らし、銘柄選定の手間を省き、誰でも可能な投資の手助けをしてくれます。また、資金力に限界のある20代こそ、ETFによる分散投資が効果的とも言えるでしょう。

また、現時点での私の考えでは、20代投資家は債券系ETFへの投資は必要ないと思っています。元本変動のリスクは抑えつつ、安定したインカムゲインが狙える債券は、それだけ見れば魅力的ですが、長期で見た場合に株よりも圧倒的にリターンが劣るという事実は皆様のご承知の通りです。

時間に余裕のある20代投資家ならば、仮にリーマンショック級の暴落が訪れたとしても、回復を待つだけの時間があるのです。これも若いうちから投資を始めるメリットになります。

【30代】

短期的なトレードは積極的に行うべきではありませんが、その他長期を見据えた資産運用の点では20代と大差はありません。

あえて言うならば、VOOやIVV、VTIなどの時価総額加重型のETFなどの割合を少し減らすと同時に、VYMやHDVなどの割合を増やすというのも一つの手ではないでしょうか。

この頃から投資を始めるならば、あえて個別銘柄にこだわるのではなく、素直にETFを買い増しした方が結果としては、高いリターンを得られる可能性があるかもしれません。

個別銘柄って結構難しくて、投資先が優良企業だと知ってても、一時的な悪材料や影響力のある人物の売却などに振り回されてしまう可能性もあるのです。最近の例としては、バフェット氏のIBMとゼネラルエレクトリックの売却があげられます。どちらも優良成熟企業に間違いはありませんが、投資の神様であるバフェット氏が売却したとすれば、どうしても不安になってしまうのです。これは仕方のない事です。私たち個人投資家が出来る企業分析はせいぜい財務諸表を読んだり、業界研究をする程度です。しかし、バフェット氏などは企業の経営者を深く関わる事により、投資先を判断しています。その結果が売却と言う選択肢ならば、バフェット氏に右習えで売却したくなる理由も十分すぎる程理解出来ます。

よって、自らに意思を貫けるという人は良いかもしませんが、そうでない人にとってはETFが最良の選択肢となるでしょう。

【40代】

まだまだ時間的余裕は十分にありますが、これまで以上にバイ&ホールドに徹し、無駄な売買はしないという戦略を徹底すべきでしょう。銘柄選定に関して言えば、ポートフォリオの1~2割程度を債券系のETFで運用しても良いかもしれません。

債券系ETFと言っても、種類は色々ですが、一つの基準として利回りが高ければ高い程リスク&価格変動率も高いということを覚えておくと良いでしょう。

最もリスクの低い債券は、格付け評価の高い短期債です。債券は格付けが高ければ高い程低利回りになり、その逆で格付けが低ければ低い程、高利回りになります(ハイ・イールド債)。リスクの高い商品にはそれなりのリターンを求めるのが投資家心理です。

また、短期でお金を貸すよりも、長期でお金を貸す方が当然リスクが高くなりますから、償還期限の長い債券の利回りが短期債の利回りよりも高くなるというのは理解出来るかと思います。

しかし、ETFの特性上、単独で債券を保有するよりかは圧倒的にデフォルトリスクは低くなります。40代と言う年齢を考慮すれば、債券系のETFをポートフォリオの中心に据える必要はありませんが、前述したように1~2割程度でああれば組み込む価値はあるでしょう。

【50代】

安定的なインカムゲインによる収入の必要性が目先まで迫っている年齢です。本音を言えば、もっと早い段階から投資を始めるのが望ましいのですが、この年齢になって一から投資を始めるとしたら、高配当系のETFと債券系ETFを上手く組み合わせる事で、安定したインカムゲインを目指すべきでしょう。

ETFと言っても利回りの低い、ハイテクセクターやヘルスケアセクターに多くの資金を投じるのはいかがなものかと思います。

考えるべきは積極的な売却益よりも、安定した配当金収入です。将来のリターンよりも確実に近づいてくるリタイア後の生活に潤いを与える安定収入こそが必要になってくる年代でもあります。

【60代】

平均寿命の上昇、定年の引き上げ、昨今とは違った労働環境が訪れる事間違いなしですが、年金以外に収入の確保が大切になってくるのは言うまでもありません。

それを考えればポートフォリオの中心は高配当系のETFと債券系ETFを中心に構築すべきです。

退職金を個別銘柄につぎ込むなんて、恐ろしいので絶対に止めた方がいいです。知識が存分にある人ならば話は別ですが、この時期から初めて投資をする人がいるのならばETFオンリーでいくべきでしょう。

間違ってもFXや仮想通貨、ベンチャー企業等に投資をしてはいけません。求めているのは、将来のリターンではなく、安定的なインカムゲインなのですから。

資金力

基本的には若ければ若い程、給料は安いです。故に1回に投資できる金額と言うのは限られてきます。年齢が上がれば給料は高くなりますが、その分出費が増えます。家族を持つようになれば尚更で、個人投資家は必然的にドルコスト平均法に近付いた運用に落ち着いていくかと思います。

まとまった資金力があれば、それを一気に投じるのか、ある程度分散させて投じるのかは人それぞれで、難しいとこではあります。アメリカ投資における投資のベストタイミングは今である、と言う意見。暴落時につぎ込めるだけの資金を残しておくためにも、ある程度は分散させるべき、という考え。どちらも正しいです。

ただ、慎重になり過ぎた買えずじまいで、結局は下がることなく順調に推移して行くという事も十分にあれば、まとめて資金を投入した途端下降相場入りするという可能性も捨てきれないため、どちらがベストであるかは結果論になってしまいます。

暴落の度に資金を投入と言うのは、長期投資で言えば理想的に聞こえはしますが、暴落の終わりは誰にも読めません。暴落したから大量購入したら、実はそこからさらに下がったという例もありまし、もっと下がるかと思ったら早々と切り返し、上昇していったという例もあります。

結局、自分だけがベストなタイミングで投資をするというのは無理に近いという事です。理想は確かに存在しますが、あまりタイミングに拘り過ぎず、せっせと倹約に励み、継続的に買い増しをするというのが一番の近道なのかもしれません。

また、退職金などでまとまったお金が入ったならば、それをどう運用するかは非常に悩ましい問題となってきます。その時点で初めて投資をするとするならば、ETFと言えど、基本的な事は勉強する必要があるからです。

やはり、投資は未来を見据え、若いうちから実践すべきです。年齢に合った投資戦略があると言えども、若い頃からの積み重ねによる経験は大きな武器になります。

まとめ

戦略の大まかな違いは、時価総額加重型(S&P500等)のETF、高配当系ETF、債券系ETFの配分の割合を変化させるだけです。

だから単純ですし、深い専門知識も必要ありません。しかし、繰り返しになりますが、何事も始めるのは早ければ早い程好ましいです。

若い人、お金が無くてもNISAでアメリカETFを購入してみてはいかがでしょうか。NISAなら買付手数料も掛かりませんし、少額でも投資することで、今まで知らなかった様々な事が分かるようになります。

遊びたい盛りの20代。その気持ちとてもよく分かります。しかし、倹約と継続的な投資の日々が、将来圧倒的なリターンとなって自らに返ってくるかもしれませんよ。

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