長期保有前提+配当再投資戦略に適したETFはHDVであると思う理由

高配当系ETFとして人気が高いのが、ブラックロックのHDVとバンガードのVYMです。どちらも優良ETFに間違いはありませんが、配当再投資戦略にどちらが適しているかと聞かれたら、私はHDVの方が適していると答えます。もちろん、長期投資を前提とした場合の話です。

勘違いして欲しくないのは、どちらも優秀な商品ではありますが、あえてどちらかに優劣をつけるならばHDVに軍配が上がるという事です。

事実、私自身は両ETFを保有していますし、今後VYMを売却する予定もありません。

今回は、HDVが長期・配当再投資戦略に適していると思う理由をお話します。

HDVの基本情報を確認

HDVはモーニングスター配当フォーカス指数に連動するように設定されています。同指数は、財務健全性が高い&持続的に平均以上の配当を支払うことの出来る米国企業を対象としており、配当力によりウェイト付けが行われています。

構成銘柄:75

経費率:0.08%

分配利回り:3.35%

分散、利回り、経費率ともに申し分ない数字です。HDV自体の設定が2011年3月である事から、リーマンショック時の値動きを確認することは出来ませんが、パフォーマンスは悪くはありません。

ご覧のように、S&P500に負けている期間もありますが、そもそもHDVがディフェンシブ銘柄中心であるという事、配当は加味されていないという事を考慮すれば、このパフォーマンスは素晴らしい結果です。

HDVのセクター別割合を見てみると

  1. 生活必需品:21.67%
  2. エネルギー:16.18%
  3. ヘルスケア:14.09%
  4. 電気通信:12.89%
  5. 資本財・サービス:12.17%
  6. 情報技術:11.93%
  7. 公益事業:5.24%
  8. 一般消費財・サービス:4.33%
  9. 金融:1.14%
  10. キャッシュ等:0.35%

HDVは3・6・9・12月に銘柄の入れ替えが行われているので、上記の比率はその都度変動しますが、セクター構成の大まかな割合は大体同じです。

ちなみに、上位組入れ銘柄5つは

  1. EXXON MOBIL CORP 8.28%
  2. AT&T INC 7.20% 
  3. JOHNSON & JOHNSON 5.84% 
  4. VERIZON COMMUNICATIONS INC 5.70% 
  5. CHEVRON CORP 5.26% 

日本人の私たちも知っている企業ばかりです。石油メジャーのエクソンモービルとシェブロン、日頃からお世話になっているジョンソン&ジョンソン、どれも景気に左右されないディフェンシブ銘柄の代名詞のような企業です。

HDVがVYMと決定的に違うのは、HDVの方がよりディフェンシブ、成熟企業に重きを置いているところです。VYM自体もHDVと被っている銘柄は多々ありますが、こちらは400以上の銘柄に分散投資されているため、その一つひとつの比率が少ないです。

また、VYMの構成比率1位のマイクロソフトや比率4位のJPモルガン・チェースなどは私の視点から見れば、高配当なのか?と言いたくなるような銘柄でもあります。今後の増配の可能性も考慮に入れているのかまでは分かりませんが、それを考えても、もう少し比率を落としても良いのかなとも思いました。

しかし、裏を返せばそこがVYMのメリットであるとも言えます。VYMは金融セクターやテクノロジーセクターが多いので、高配当ながら、HDVに比べると売却益も狙えるETFです。これは、市場全体の暴落にも引っ張られる事を意味しますが、さらに裏を返せば、ディフェンシブで安定しているHDVよりも、暴落時はより仕込み時のチャンスであるとも言えます。要は考え方で、一方のメリットはもう一方のデメリット、その逆も然り。視点を変えれば見え方は180度変わります。

HDVを長期投資&配当再投資戦略の投資にお勧めする理由

HDVの特徴についてざっと復習したところで、タイトルの真意に迫っていきます。

…の前に、2017年年明けからの、HDVとS&P500推移を比較してみます。

HDV(ローソク足)×S&P500(ラインチャート)

トランプ大統領の当選から、順調に右肩上がりを続けるS&P500に対し、HDVは足踏み状態。直近を見ても過去最高値を更新するS&P500を横目に、安定のレンジ相場を展開しております。

じゃあ、HDV組み入れ比率上位5つの銘柄はどうなの?ってことで、こちらも確認してみます。

エクソンモービル(ローソク足)
AT&T(ラインチャート:青)
ジョンソン&ジョンソン(ラインチャート:赤)
ベライゾン・コミュニケーションズ(ラインチャート:黒)
シェブロン(ラインチャート:黄色)

解りづらいチャートで申し訳ないのですが、これを見ても分かるように、ここ数ヵ月右肩上がりの上昇を見せているのはジョンソン&ジョンソンだけです。

シェブロンやエクソンモービルなどは昨今の原油価格下落の影響をもろに受け、株価も軟調な推移となっています。

構成比率上位5銘柄がこのような推移ですから、それをパッケージングしたHDVも横ばいが続くという理由もお分かり頂けるかと思います。

さて、S&P500はテクノロジーセクター、いわゆるハイテク株や金融セクターの割合が高いです。ゆえにVYMもどちらかと言えば、S&P500寄りになるわけです。

強気相場に乗っかり、日々高値を更新するS&P500、それを少し離れたところから見ているHDV。

HDVが長期投資の配当再投資戦略に向いている理由はここにあります。

我々のような資金力に乏しい個人投資家は、出来るだけ安値で仕込みたいと常に考えています。しかし、S&P500は調整に入るはいる詐欺を続け、どんどん上昇して行ってしまいます。

個人投資家が、月々いくらと決めて投資をするのか、ある程度資金を貯めた上でまとめて投資をするのか、それは人によりますが、日々上昇していくS&P500に資金と投じるには精神的+経済的にも躊躇してしまう部分があります。日々高値を更新し続ける銘柄への投資は、常に割高への投資と置き換える事も出来ます。

対してHDVはどうでしょう。市場全体の上昇にも引っ張られず、私たちは余裕をもって資金を投入することが出来ます。

シーゲル氏の著書にも書いてあったように、成熟企業への投資+配当も再投資という戦略こそが長期で見た場合のリターンを押し上げるという考えも一理あるのではないでしょうか。

これはシーゲル氏の言う「成長の罠」に陥らないためにも有効な戦略であることは歴史が証明しています。

配当だけが全てじゃない=「成長の罠」に対する誤解

日々高値を更新し続ける株よりも、成熟期に突入し、一見すると投資をする面白みのない銘柄こそ、実は魅力を秘めているという考え方には、心の底から同感します。成熟企業は安定した配当を出していますし、増配にも意欲的だからです。

しかし、この考えにはちょっとした間違いが潜んでいます。

成熟企業、安定した配当、景気に敏感に反応しない株価

これらが揃っていても、それが投資に値するのかどうか、実はもう一つ大事な視点があります。

それは、企業自体の業績が今後、緩やかながらも成長していくのかと言う点にあります。単に高配当で、再投資もし易い銘柄と言うだけでは、それはもはや債権と一緒か、それ以下にしかなりません。

急激な上昇は見込めないけど、超長期で見たら緩やかながらも、それなりの成長が見込める。単に市場から見放された割安な株を買うだけでなく、その企業の将来は明るいのか。

これを私のような弱小投資家が見極めることは困難であり、だからこそHDVというETFを活用するのです。HDVに組み込まれている銘柄は、成長の罠にも陥ることが無く、現在は株価が軟調に推移している企業もありはしますが、長い目で見ればそれなりの成長も見込めるハズです。少なくとも私はこのように考えています。

長期の視点で見た場合、株式が債券やゴールドよりもずば抜けたリターンを記録しているのは、上記の要素が大きく影響しているからなのです。

HDVは年に4回、銘柄の入れ替えを行っています。これにより財務健全性に疑いのある銘柄は、その構成から除外される事になります。

我々が苦手としている銘柄選定を、専門家がやってくれるのですから、これ程楽な事はありません。

まとめ

散々偉そうなことを言いましたが、本日の内容も考え方の1つに過ぎず、数ある投資戦略の中の一部にしか過ぎません。配当再投資戦略ではなく、成長著しい企業への投資が最終的には大幅なリターンを挙げるという可能性も十分あり得るのです。

また、現在はハイテクセクターと言われている企業が、将来は優良な成熟企業へと変化していく事だって存分に考えられます。

アメリカ市場への投資と一口に言っても、その戦略は様々です。どの戦略が有効であったかは過去を見れば分かります。しかし、それは過去から現在までのリターンであって、現在から将来へと続くリターンではありません。

結局将来は誰にも分からないという事です。とは言っても、「配当再投資戦略」この方法自体の有効性は今後も続いていくと私は考えております。それが現時点での答えです。

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