HDV(高配当ETF)がS&P500をアウトパフォームするための条件は何か?

高配当系ETFの中でも私の一番のお気に入りはブラックロックのHDVです。構成銘柄のウエイト付けを配当を基準にしているだけあって、ライバルとも言えるVYMよりも高い配当利回りを維持し続けています。

HDVは最強のバリュー投資です。なぜなら株価上昇により配当利回りの低下した銘柄は、指数のリバランス時に除外されるからです。これをメリットと見るかデメリットと見るかは人それぞれですが、私はメリットと捉えています。

さて、そんなHDVもこのところはS&P500に負けています。しかし、これは考えてみれば当たり前です。強気相場において、高い配当利回りを有する大型株バリュー株は、ハイテクセクターのようなグロース株には到底敵いません。

じゃあ、弱気相場(景気後退期)ならばHDVはS&P500をアウトパフォームするのかと言うと、半分正解で半分間違いと言ったところでしょうか。

ではHDVがS&P500に勝つためにはどうしたら良いのか?

今回はこれについて考えていきます。

HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)とは?

HDVとはモーニングスター配当フォーカス指数をベンチマークとした高配当ETFです。

同指数は単なる高配当銘柄ではなく、財務健全性にもフォーカスしているため、株価下落が要因となる見せかけだけの高配当銘柄を除外し、高配当+優良企業に効率よく投資することが出来ます。

HDV基本情報

設定日 2011年3月29日
純資産 約6700億円
分配利回り 3.39%
経費率 0.08%
銘柄数 75

 

組入れ上位10銘柄

ティッカー 銘柄名 保有比率
XOM エクソンモービル 8.81%
T AT&T  8.58%
VZ ベライゾン 6.77%
CVX シェブロン 5.50%
PFE ファイザー 5.34%
WFC ウェールズファーゴ 4.82%
PG プロクター&ギャンブル 4.74%
PM フィリップモリス 4.47%
CSCO シスコシステムズ 3.95%
KO コカ・コーラ 3.76%

 

HDVは銘柄入替が多い事でも有名ですが、構成割合上位10銘柄に合っては皆が知っている優良企業。個別でも保有したくなる銘柄ばかりです。

リバランスが年に4回、これにより自らのお気に入り銘柄が除外されるという事は多々あるでしょう。この辺りはスマートベータ指数の欠点?とも言えるかもしれません。

しかし、だからと言って素人が個別銘柄に安易に手を出すよりかは、HDVのみを日々買い増ししていった方が投資成果は良い可能性が高いです。少なくとも私自身は個別銘柄による高配当戦略を実践したとしてもHDVに勝てる自信が全くありません。

iシェアーズブランド、中でもコアシリーズはポートフォリオの核となるようにブラックロックが定めた有能なETF達です。故にコアシリーズは他のETFよりも経費率を抑えており、長期保有に持って来いの商品となっています。

HDVとS&P500(IVV)のパフォーマンスを比較

まずは両ETFを週足チャートで比較してみます。

IVV:ローソク足×HDV:ラインチャート

HDVの設定が2011年3月なので、長期のパフォーマンスを比較することは出来ませんが、かなり健闘している方だと思います。単なる値上がり益でこれですから、HDVのIVVよりも2%程高い配当利回りを加味すれば、さらに結果は変わってきます。

とは言っても、トランプ大統領当選後のIVVの上昇にHDVは出遅れ感があります。この1年はIVVの圧勝と言えそうです。

お次は両ETFの配当込みのパフォーマンス(年率)を比較してみます。

  1年 3年 5年
HDV 9.35% 8.36% 10.90%
IVV 18.57% 10.76% 14.17%

 

上記データを見た場合、配当込みのリターンでもHDVはIVVに負けています。

しかも、配当込みのデータと言えど、税金を考慮してませんから、それらを加味すればHDVのパフォーマンスは上記よりもさらに下回る事になるでしょう。

じゃあHDVは投資に値しないETFで、結局は素直にS&P500に投資をするべきなのか?

もちろんそれも選択肢の1つです。しかし、それでも私はHDVに魅力を覚えます。

HDV(配当再投資戦略)が力を発揮する相場とは?

もう一度リーマンショック後の相場の動きを確認しましょう。

S&P500月足チャート

途中チャイナショックで危ない場面を見せるも、それ以外は月足ベースで見れば順調そのもの、しかも良好な企業業績と景気回復と言う裏付けがあるため、現実と実体がかけ離れるバブル状態でもありません。

前述したようにHDVは大型バリュー株、それも高い配当利回りを有する成熟企業の集合体です。そもそもHDVに上記チャートのような強気相場でS&P500を超えるようなパフォーマンスを期待するべきではありません。

むしろ負けて当然。そのくらいの考えでいた方が良いでしょう。

では、HDVが威力を発揮するのはどのような相場か?

そもそもHDVで効率よく資産を増やそうと思ったら配当再投資戦略に行き着きます。

HDVから吐き出される分配金はもれなくHDVに再投資。加えて定期的な積立投資を続けることで株数が増え、貰える分配金も年々増加。投資金額が多くなればなるほど、再投資の威力は増し、資金は雪だるま式に増えていく。これが配当再投資の力です。

さて、配当再投資と言っても株価が順調な右肩上がりを続けてしまっては、再投資により購入できる株数も減少し、配当再投資の効果は薄れてしまいます。

つまり、HDVによる配当再投資戦略で資産を最大限に増やそうと思う人は、株価の順調な右肩上がりを望んではいけないのです。

HDVホルダーが望まなければならないのは以下のようなチャートです。

①波打ちながらも停滞。その後レンジを上抜け。停滞期での株数増加と、レンジの上限突破によるコンボでパフォーマンスは加速します。

②長きに渡る下降相場。このような時は配当により持ち株数を増やすことが可能であり、効率よく再投資をすることが出来ます。さらに、長きに渡るトンネルを抜けた後(暴落以前の水準に戻った後)はこれまでの再投資が実を結び、爆発的なリターンを叩き出してくれるでしょう。

しかし、ここで注意すべき点があります。

いくら株価下落中に効率よく再投資をしたところで、いつまで経っても株価が回復しなければ将来のリターンは大幅に押し下げられることになります。

配当再投資戦略では高い利回りを有する優良企業の株価が下落している時は絶好の仕込み時となります。

だからと言ってただ単に右肩上がりの銘柄に投資をすれば報われるという訳でもありません。バリュー投資だからと言って割安な銘柄に投資を続けた結果、いつまで経っても割安なまま、株価回復の兆しが無ければその投資は失敗と呼べるかもしれません。

全ては結果論

ここまで解説しておいてこんな事を言っては元も子もないのですが、全ては結果論に過ぎません。

今後も右肩上がりの順調な推移を見せるとすれば素直にS&P500に投資をした方が高いパフォーマンスを期待できるでしょう。

一方でリセッション突入による停滞期や下降相場の訪れを予測するならHDVへの投資も報われるかもしれません。

ただし、そもそもの停滞期や下降期がどの程度続くのかでも将来のリターンは大きく違ってきます。束の間の停滞期や下降期であれば十分な配当再投資戦略を実行することが出来ません。だからと言って、永遠の右肩下がりでも将来のリターンは大きく押し下げられます。

配当再投資戦略で市場平均を超えるには、長期に渡る下降相場若しくは停滞期の先に訪れる株価上昇、これが必要不可欠です。ただ単に右肩下がりの高配当銘柄に投資をするだけで報われるなんて勘違いはしない方が良いでしょう。

ただし、全ては結果論。結局未来は予測出来ないのですから、自分の信じた道を進むまでです。だから私はHDVに投資をしていますし、これからも投資を続けていきます。

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