2017年12月分のHDV銘柄入替とモーニングスター配当フォーカス指数の謎
私の保有しているETFであるHDVは年に4回リバランスをしています。比率が高くなり過ぎた銘柄は売却することによりその割合を減らし、場合によっては銘柄そのものの入替も実施しています。
HDVがベンチマークとしているのはモーニングスター配当フォーカス指数です。同指数はいわゆるファンダメンタル加重であり、一般的な時価総額加重ではありません。両方法の良し悪しはこの際置いとくとして、私はHDVにそれなりの期待をしてます。
普通ETFの銘柄入替なんてほとんど気にしません。だけどHDVは採用銘柄が僅か75銘柄。しかも、不可解な入れ替えも頻繁にある事から、HDVホルダーの私としてはどうしても気になってしまうのです。
…という事で、2017年12月の銘柄入替状況を確認してみます。
HDV銘柄入替の詳細
2017年12月は9つの銘柄が入れ替わりました。各詳細を確認してみます。
新たに追加された9銘柄
※追加の理由として、赤字の銘柄が財務健全性(健全性:良)の評価、その他の銘柄が配当利回り(高利回り)での評価となっています。
名称 | ティッカー | 割合 | 配当利回り |
ドミニオン・エナジー | D | 1.36% | 3.7% |
クラフト・ハインツ | KHC | 1.02% | 3.1% |
パブリック・サービス・エンタープライズ | PEG | 0.60% | 3.2% |
カーニバル | CCL | 0.50% | 2.7% |
DTEエナジー | DTE | 0.41% | 2.9% |
ホーリーフロンティア | HFC | 0.16% | 3.0% |
ウォツコ | WSO | 0.10% | 3.0% |
ノースウェスタン | NWE | 0.07% | 3.3% |
ウィズダムツリー | WETF | 0.03% | 2.8% |
除外された9銘柄
名称 | ティッカー | 割合 | 配当利回り |
ウォールマート | WMT | 2.28% | 2.1% |
ライオンデルバセル・インダストリーズ | LYB | 0.84% | 3.4% |
ゼネラルミルズ | GIS | 0.74% | 3.5% |
アッヴィ | ABBV | 3.23% | 2.6% |
タペストリー | COH | 0.24% | 3.2% |
キャンベルスープ | CPB | 0.18% | 2.8% |
ウィリアムズ ソノマ | WSM | 0.08% | 3.0% |
ケロッグ | K | 0.33% | 3.3% |
ポートランド・ゼネラル・エレクトリック | POR | 0.08% | 2.7% |
さてさて、先ず除外された銘柄で目が行くのは大手スーパー西友でお馴染みのウォールマートとハーゲンダッツやシリアルで有名なゼネラルミルズではないでしょうか。後はケロッグなども日本では有名ですね。
アッヴィは大手製薬会社です。私の中では優良企業と言う位置づけなのですが、モーニングスタース配当フォーカス指数のスクリーニングはなかなか厳しいようです(笑)
新たに追加された銘柄に目を通してみると、日本人には聞きならない企業が名を連ねていますね。しかし、意外な事にウィズダムツリーが指数に採用されています。ウィズダムツリーはスマートベータに特化したETF運用会社です。正直この辺りはよく分かりませんね。モーニングスター配当フォーカス指数のスクリーニングである、深い堀(参入障壁の高いビジネスモデル)という条件をウィズダムツリーが満たしているのか?
そもそもETF運用会社はかなり寡占が進んでおり、ブラックロック、バンガード、ステートストリートの3強で市場シェアの約80%を占めています。その中でウィズダムツリーの割合はと言うと2%にも満たないような数字です。
入替前と入替後の組入れ上位10銘柄
HDVは組入れ銘柄が75と少なく、しかも上位10銘柄だけで全体の50%を超えています。
という事で、銘柄入替前と入替後の組入れ上位10銘柄を比較してみます。
入替前(11月30日) | 入替後(12月29日) | ||
エクソンモービル | 8.65 | エクソンモービル | 8.88 |
AT&T | 7.51 | AT&T | 8.67 |
ベライゾン | 6.41 | ベライゾン | 6.73 |
シェブロン | 5.47 | シェブロン | 5.75 |
ファイザー | 5.11 | ファイザー | 5.20 |
ウェールズファーゴ | 4.95 | ウェールズファーゴ | 4.79 |
プロクター&ギャンブル | 4.28 | プロクター&ギャンブル | 4.73 |
シスコ・システムズ | 4.26 | フィリップモリス | 4.37 |
インテル | 4.03 | シスコ・システムズ | 3.93 |
コカ・コーラ | 3.55 | コカ・コーラ | 3.75 |
ご覧のように上位10銘柄を見ればインテルがフィリップモリスに変わっただけで、その他動きはありません。もちろんインテルは除外になった訳ではなく、構成比率が落ちたに過ぎません。フィリップモリスも元々採用されていましたし、上位10銘柄に関してはほぼ不変という安心の結果となりました。
実際、これら10銘柄がHDVのパフォーマンスを決めると言っても過言ではないので、HDVホルダーの方々は上位10銘柄くらいは把握しておくと良いでしょう。上位10銘柄だけで構成比率の50%を超えるという何とも癖のあるETF、それがHDVなのです。
HDVがベンチマークとするモーニングスター配当フォーカス指数は、配当力(配当利回り×浮動株数)に企業規模を考慮した上で構成銘柄のウエイト付けを行っています。構成割合上位10銘柄に巨大企業が多いのはそのためですね。単なるファンダメンタル加重ではない、時価総額加重要素も取り入れた上での構成方法となっています。
モーニングスター配当フォーカス指数の謎
モーニングスター配当フォーカス指数によって財務的に健全な優良銘柄が抽出されるというのは分かります。しかし、選定基準を、深い堀を持つ企業、つまり他社が簡単に参入できないようなビジネスモデルの強みを持つ企業としているのに銘柄がコロコロ入れ替わるのが謎です。加えてモーニングスター社独自のデフォルト懸念スコアをどのように判断しているのか。これも謎です。
そもそも両方の基準をクリアした時点で指数に採用されているのだから、そう簡単には除外されないのではとも考えたりしてしまいます。それだけ選定基準が厳しいと言えばそれまでかもしれませんが、いまいち納得がいきません。
今回除外された銘柄も、財務的には問題がないと思えるような企業ばかりです。
機会があればモーニングスター社に直接聞いてみたい気もしますが、スマートベータ指数と言う特性上、銘柄の選定基準だけはもう少し明確に示してもらいたいものです。
私はHDVを信じます(笑)
モーニングスター配当フォーカス指数に納得いかない部分はありますが、それでも私はHDVを信じています(笑)
自分自身で個別銘柄でポートフォリオを組むよりかは絶対に良いパフォーマンスをもたらしてくれると考えているからです。
指数自体の銘柄入替が納得できないらそれはHDVを手放すしかありません。しかし、HDVは”コア”と名の付くようにブラックロック社がポートフォリオの核となる太鼓判を押した商品です。そのため、他のiシェアーズブランドよりも経費率は低めに設定されています。
HDVの銘柄入替に気に入らない人はHDVを手放せば良いだけです。
私はHDVをホールドし続けます。
とても勉強になります。参考に致します。
嬉しいお言葉ありがとうございます!
今後も当ブログをよろしくお願い致します!