為替レート変動の要因を探る【円が買われる理由はどこにある?】

アメリカ株へ投資している人も、日本株へ投資している人も、為替の動向を探る事は必須です。特に近年では、ドル円は日経平均株価との間に明確な相関があり、FXをしない人にとっても、為替の存在は重要となってくるのです。

巷に溢れるニュースでは、~円が買われ、軟調な経済指標を嫌気しドルが売られ、等々為替変動の要因として、もっともらしい理由が後付けで述べられています。

実のところ、いくら考えたって為替レートが動く正確な理由は解りません。その場に合わせた最もらしい理由は確かに存在しますが、為替市場は実に多彩な要素が複雑に絡み合いながら、各通貨ペア同士が綱引きを行っています。

しかし、教科書的な要因はいくつか存在します。今回はそれらについて自らの知識を整理しつつ解説していきたいと思います。

ドル円の長期チャートを確認

まずは、我々日本人に最も馴染みの深い、ドル円チャートを見てみましょう。

ドル円月足チャート

明らかな相関性が見られるようになったのは、リーマンショックの後。それまではどちらかと言えば、株高=円高の図式が成り立つと思います。

円がドルに比べ相対的に高くなる理由は

  1. 円はそのまま、ドルが売られる
  2. 円が買われ、ドルはそのまま
  3. ドルが買われる、円がもっと買われる
  4. 円が売られる、ドルがもっと売られる

円安ではこの逆の考え方をします。

ただ単に円安の進行=円が売られていると考えるのではなく、その裏にはどのような需給関係が働いているのか。毎回、明確な答えが導き出されるわけではありませんが、他の通貨ペア(ユーロ/円・ユーロ/ドル)、ドルインデックスなどを見る事により、ある程度の予測を出来る時はあります。

冒頭でも述べたように、そもそも為替変動の要因は多岐に渡り、正確な予測をすることは専門家でさえ不可能。しかし、巷で言われている教科書的な変動要因を知ることに意味はあります。

為替変動の要因は、実需と投機で決まる

実需筋

輸出企業が海外で商品を売る際、日本と海外ではそもそも通貨が異なります。現在はドルが基軸通貨の役割を担っており、貿易においての決済通貨でもあります。

輸出企業は、ドルで取引を行い、必要があればドルを円に換える必要が出てきます(ドル売り円買い)。また、海外で工場を展開する際も、その費用はドルにより支払われるため、円をドルに換える必要があります(円売りドル買い)。

輸入企業も海外製品を円で買うのではなく、ドルで購入しますから、円売りドル買いの需要が発生します。

我々も、海外旅行に行く際は、自国の通貨である円で旅行先の通貨を買う必要が出てきます。また、アメリカ株へ投資をする際も円をドルに換える必要があります。

以上のような、貿易取引や経済活動をする際に必要な為替取引を行う人達を実需筋と言います。

投機筋

一方で、為替差益だけを狙い、短期的な売買を繰り返すだけの人たちを投機筋と言います。投機筋と言うとFXプレイヤーやヘッジファンドなどを真っ先に思い浮かべますが、銀行の為替ディーラーたちも為替差益を狙い、日々億単位の売買をしています。

現在は実需筋と投機筋の割合は2:8と言われており、外国為替市場は圧倒的に投機目的のプレイヤーが多い事になります。

投機筋が8割だからと言って、実体経済が無視される事はなく、FX参加者たちは日々の為替変動要因を考慮しながら、取引を行っています。

ここからは、為替市場に変動を与える各要因について探っていきます。

経常収支が黒字=通貨高になる?

経常黒字国=通貨高になる。この理論は数ある変動要因の1つにしか過ぎませんが、それなりに根拠はあります。ただし、理論自体が正解かどうかは別問題で、通貨の変動にはもっと多くの複雑な要素が絡んできます。

経常収支は、4つの収支から成り立っています。

  1. 貿易収支
  2. サービス収支
  3. 第一次所得収支
  4. 第二次所得収支

経常収支は、しばし国際収支と混同されがちなので、両者の違いを図で明確にしたいと思います。ちなみに国際収支表は2014年の1月から見直され、過去の表とは少し違っています。

 

所得収支は第一次所得収支に、経常移転収支は第二次所得収支になりました。変更後は資本収支がなくなり、金融収支へ、外貨準備増減は金融収支の中に組み込まれました。また、かつての資本収支の中のその他資本収支は変更後は資本移転等収支になりました。

1.貿易収支

貿易収支は単純に、輸出額ー輸入額の計算式で表されます。輸出が輸入を上回れば貿易黒字で、輸出が輸入を上回れば貿易赤字となります。

平成8年~平成28年の貿易収支の推移

日本は長らく貿易黒字で推移していましたが、23年度~26年度は貿易赤字に、27年からは再び持ち直し、黒字化しています。

2.サービス収支

「もの」の取引ではなく、「サービス」の受け取りや支払いを、サービス収支と言います。

もの凄く簡単に言うと、外国人が日本旅行で使ったお金(航空費や食費など)から、日本人が海外旅行で使ったお金を引いたものがサービス収支になります。

平成8年~平成28年のサービス収支の推移(単位:億円)

日本は海外からの旅行者よりも、日本から外国への旅行者が多いため、サービス収支は赤字と言う状況が続いています。

3.第一次所得収支

第一次所得収支は投資収益の事を指し、これには配当や利子などが含まれます。日本が海外に投資をすれば、それに見合う利息を受け取る事が出来るのに対し、海外から日本への投資は、それに伴い発生した利息等を支払う必要があります。この差額が第一次所得収支となります。

平成8年~平成28年の第一次所得収支の推移(単位:億円)

 

4.第二次所得収支

第二次所得収支は、海外への対価を伴わない資産の提供状況を表しています。具体的には食料や医療品などが含まれます。

日本が、発展途上国などへの支援を行っている事を考えれば、第二次所得収支がマイナスなのは納得していただけるでしょう。

平成8年~平成28年の第二次所得収支の推移(単位:億円)

以上の4つをまとめて経常収支と言います。

平成8年~平成28年の経常収支の推移(単位:億円)

2016年度の経常収支は、ドイツ・中国に次ぐ3位となっています。

経常黒字国と通貨高の関係は?

経常黒字を簡単に言うと、海外から日本に入ってくるお金の方が、日本から海外へと出ていくお金よりも多いという事になります。日本経常収支プラスの内訳として、貿易収支と第一次所得収支が挙げられます。どちらも基軸通貨であるドルや現地通貨により決済が行われると考えれば、為替取引により円に換える必要が出てきます。

この時、例えばドルを円に換えたい場合、ドル売り・円買い圧力が掛かり、故に円高となるわけです。しかし、現在では日本の輸出企業も海外に工場を展開しており、その場合は新たな設備投資や賃金の支払いをする際、円に換える必要がないので、必ずしも経常収支がプラス=通貨高という関係が成り立つわけではありません。

先ほども述べたように、数ある変動要因の1つとして捉えるべきでしょう。

外貨準備とは?

上記の国際収支表の金融収支の項目に、外貨準備というのがあります。経常収支からは外れてしまいますが、意外と知らない人が多いので、良い機会ですし、ザックリと解説してみます。

外貨準備とは、もしもの時に備え、国が保有しておく外貨の事です。円が危機に瀕した時の保険と言う意味合いもあります。外貨と言っても、全て通貨(ドルやユーロ)で持っているわけではなく、金や債券などもこれに含まれます。

中身としては、米国債、つまりドルを保有している割合が高いようです。単に円以外の通貨を保有するだけでなく、比較的、安全な金融商品で運用をしているようです。

その背景には、リーマンショックなどで信用力が低下したと言えど、基軸通貨のドルは安全性や流動性の観点から見ても優れているという理由があります。

また、外貨準備は時として、為替介入にも使われています。円高が進行すれば、円を売りドルを買うという介入を行います。これにより、現在の日本の外貨準備高は中国に次ぐ、第2位となっています。

GDPの大きい国の通貨が買われる?

GDPとは国内総生産の事で、国の経済規模を計る世界共通の物差しとなっています。GDPの増加はその国の経済規模が大きくなったことを表しています。

GDPとは、国内で一定の期間内に生み出されたモノやサービスの金額を合計したものです。

例えば、ある農家がサツマイモを10㎏作ったとします。そのサツマイモを10,000円で、焼き芋屋さんに売ったとします(GDP+10,000円)。

焼き芋屋さんは農家から仕入れたサツマイモやで石焼き芋を作り、これを20,000円で販売しました。この時、焼き芋の原価は10,000円で、販売価格は20,000円、差額10,000円の付加価値を生み出したことになります(GDP+10,000)。

上記の例ですと、GDPは20,000円となるわけです。つまらない例で申し訳ないのですが、何となくイメージ出来たでしょうか?

GDPとは国内で稼ぎだされた儲けの事ですから、当然多いほど良いわけです。また、前年度よりも伸び率が良い=成長率が高いという事は、世の中にお金が回り始めているという事ですので、日本の経済にとってはプラスとなるわけです。

GDPはもう少し細かく見ると、名目GDPと実質GDPに分かれますが、この辺りは別途記事にて解説したいと思います。

参考までに1980年から2016年までのGDPの推移を確認してみます(単位:10億円)。

やはり、近年はGDPの伸びが鈍化している事が分かるかと思います。現在、ドル換算ですと、日本のGDPは世界第3位で、1位はアメリカ・2位は中国となっています。

まだまだ、GDPで見れば上位にいる日本ですが、長い年月をかけてゆっくりと順位は落ちていくのではと考えています。

また、経済成長率で見れば、日本は155位で、アメリカは131位、中国は13位となっています。GDPは大きくても、経済成長率となるの、新興国の勢いには敵いません。

ちなみに、経済成長率は、 (当年のGDP – 前年のGDP) ÷ 前年のGDP × 100の式で計算され、GDPが前年比でどの程度成長したかを表しています。

1980年~2016年の経済成長率

リーマンショック後にマイナス圏に沈みましたが、現在はプラス成長を見せているものの、成長幅は低いままです。

GDP世界一であるアメリカも、近年は2%台の成長が続いていますが、アメリカはそもそもの分母であるGDPが大規模であるため、その点を踏まえると日本とは事情が少し違ってきます。

ある程度成熟した国では、経済成長率が鈍化するというのは仕方のない事ではありますが、経済が活発にならない=お金が回らないという悪循環は巡り巡って、我々の日常生活にも影響を及ぼします。

また、GDPが世界第3位と言っても、1人当たりのGDPは22位(2016年)であることから、今後の行く末を楽観視できない状況でもあります。

金利差が通貨に影響を与える

お金は金利の低い国から、金利の高い国へと流れる習性があります。現在の日本は金利がほぼゼロ、銀行に預金したとしても、期待できる利息は極僅かなのが現状です。

だったら少しでも、金利の良い国の通貨で預金をしたい。かつてアメリカの政策金利は今よりもずっと高く、日本とアメリカの金利差を利用し、ドルで預金することで、円預金にはない魅力を享受することが出来ました。

日本と海外の金利差を、内外金利差と呼びます。FXで低金利である円を売り、高金利通貨を買う事でスワップポイントを得る事を目的として取引している人もいます。

ただし、金利が高いからと言って、安易にその国の通貨での運用を行うのはおすすめできません。金利が高いのにはそれなりの理由があるからです。

ちなみに、銀行預金などの金利は、短期金利と長期金利で決まります。短期金利はかつては無担保コール翌日物、その前は公定歩合でしたが、現在は事実上のゼロ金利政策により、マネタリーベースが政策金利の役割を果たしています。

長期金利は10年債の事を指し、短期金利をベースとしながらも、インフレ率や期待成長率、その国の財政状況などを加味して、市場参加者により利回りが形成されています。

参考までにアメリカの政策金利とドル円チャートの推移を載せておきます。

必ずしも、アメリカの金利上昇がドル高円安に繋がっているわけではありません。

当たり前の事ですが、内外金利差も通貨変動の1要因に過ぎないという事です。

資金調達のために金利を高くしている

金利が高い国というのは、総じて新興国が多いです。新興国は他国から資金の流入を図るために、あえて金利を高く設定しているのです。

トルコリラもかつては高金利と言う理由で、人気がありました。ゆえにFXにより円売りのトルコリラ買いをする人が多かったのです。しかし、高金利と言うリターンを得るために、為替差損というリスクを蔑ろにしている人が多く、トルコリラ安円高の進行で、スワップポイントを上回る含み損を抱え、泣く泣く損切りをする羽目にはった個人投資家も多いと聞きます。

多くの人がスワップポイントに目がくらみ、レバレッジを掛ける事のリスクを軽く見ていたのでしょう。結局上手い話はそうそう無いという事です。

地政学リスク

地政学リスクとは、政治的・軍事的・社会的緊張の高まりが、特定の地域及び、果ては世界経済全体へと影響を及ぼすリスクの事を言います。

地政学リスクの代表例としては、「テロ」や「戦争」などが挙げられます。現在の日本の地政学リスクの№1は北朝鮮の核ミサイルの発射問題であり、仮に事が起きたとしたら、近隣国である日本はその影響を存分に受けてしまう事でしょう。

そうなれば、円はもちろん、ドルを含めた為替レートが大きく変動することが予想され、それにつられて、株式市場も大きく動く事になります。

かつては、「有事のドル買い」という言葉もあったように、地政学リスクが生じた場合は、基軸通貨であるドルを買っておけば良いという風潮がありました。しかし、この法則は現在では必ずしも当てはまるとは限らず、円が逃避先として選ばれるという現象も起きています。

実際は、何でもかんでも、有事の円買いだとか、有事のドル買いだとか、が当てはまるわけではなく、その時々応じた変動を見せるのが為替市場であると言えます。

確かに、経済成長の鈍化、人口減少、その他様々な課題を突き付けられている日本の通貨が、安全資産と言われるのはおかしいという意見もあります。

東日本大震災時の円高の理由は?

東日本大震災などの際に、一気に円が買われる=円高が進行するというのも何だか納得がいきません。だって地震により甚大な被害を受けた国の通貨が買われるという事自体が理解できないというのは、私自身もよくわかります。

こんな時、メディアでは安全資産である円が買われ…等と言われてはいますが、この言葉にどれだけの信憑性があるのかは疑わしいもの。巷では憶測?も含め、様々な理由が語られていますが、私が考える要因は以下になります。

  1. 海外投資家による日本株の売り。日本市場へ短期で取引をしている海外投資家は為替変動によるリスクヘッジのために、円をショートしています。地震発生により日本株を売却→為替ヘッジしていた円も買戻す→円高圧力の要因になるという図式です。
  2. 円を売り、高金利の通貨を買っている投資家達は、ポジションの手仕舞いとして、円を買い戻します。これが円高の要因となるのです。
  3. ヘッジファンドの仕掛け売り。冒頭で、現在の為替市場の8割は投機筋であると言いました。相場は美人投票です。歴史的事実から、円高になる可能性が高いと分かれば、明確な理由が無くとも相場は多数決により動きます。ゆえにヘッジファンドが円を爆買いすれば、円高が進行するわけです。

上記の理由が正しいのか、真実はもっと別にあるのか、それは解りません。しかし、3の理由のように、2011年3月11日に起きた地震では急激に円高が進行した、と言う事実を知っているのならば、もしあなたがFXをしている時に地震が来たらどうしますか?

ドル円をショートしたくなりませんか?今回も前回と同じ結果ならば、レバレッジを掛けたドル円ショートにより、かなりの利益を得る事が出来るのです。

多くの人がこう考えれば、当然円高が進む可能性は高いわけですから…結局、相場なんてそんなものです。散々理論やら経済、財務などを勉強しても、動かすのは人間なのですから。短期的な市場の反応を予測することは出来ないのです。

株高=円安なのはなぜ?

冒頭でも述べたように、現在は日経平均株価の上昇と円安の進行はほぼイコールです。確かに円安は輸出関連企業にとっては追い風であり、海外で稼いだ売り上げを円に換える時も、1ドル=100円よりかは、1ドル=120円の方が、より多くの円を手に入れる事が出来ます。

これは疑いようのない事実であり、また、日経平均株価構成比率の上位は輸出関連企業が多く存在することから、円安=株高という図式は正しいようにも思えます。

しかし、投資の世界の常識は何でも疑って掛かるのが、私の性分。円高=株高の関係性について今一度考えてみました。

再度、ドル円と日経平均株価チャートを確認

繰り返しになってしまい申し訳ないのですが、日経平均株価とドル円が相関するようになったのは、リーマンショック後からであるという事実が改めて分かるかと思います。

さて、先ほど、為替ヘッジと言う話が出ましたが、一旦それは置いといて為替変動も考慮した上での海外投資家による、日本株売買を考えてみましょう(手数料等は考慮しないものとします)。

1ドル=100円の時に、1万ドルで100万円を買う。

100万円で、日本株を買う。

この時の損益のパターンは以下が考えられます。

  1. 円安(例:1ドル=120円)が進めば、株価が変わらずとも、為替差損が生じます。
  2. 円高(例:1ドル=80円)が進めば、株価は変わらずとも、為替差益が生じます。
  3. 為替に変動が無い場合は、純粋に株価の変動が損益に繋がります。
  4. 円安と株安が進行すれば、海外投資家はダブルで損失が発生
  5. 円高と株高が進行すれば、海外投資家はダブルで利益が発生

為替ヘッジをしていないとするならば、海外投資家にとって最も好ましいのは5に違いありません。

海外投資家による日本市場への参入=円買い要因なのでは?

海外投資家は日本株を買う時に、自国の通貨を売り、円を買う必要が出てきます。また、東証一部の売買高の6~7割が海外投資家によるものである事を考えるのならば、それ相応の円買い圧力が生まれてもおかしくないと思いませんか?

でも現在では、日経平均株価の上昇=円安の進行です。日経平均株価が上昇している時は、その多くで海外投資家が買い越しをしていますから、より円買いの圧力が強いはずです。でも実際には円安が進む。これってなんだか矛盾していますよね。海外投資家からしても、円安の進行よりも、円高の進行が望ましいのですから。

リーマンショック後にドル円と日経平均株価が相関するようになった理由は?

資源の少ない日本国の要である、輸出関連企業。こられを復活させることが、リーマンショック・東日本大震災から日本を蘇らせるために絶対必要であると考えたに違いありません。

これがアベノミクスです。アベノミクスによる円安誘導は、株価上昇のきっかけを作り、日銀のインフレ2%目標も、円安の進行を後押ししたに違いありません。

先ほど、海外投資家による日本株の買いは、その過程で円買いを必要とするため、円高の要因となると言いました。しかし、海外投資家の参入比率が最も高い、東証一部でも1日の売買代金はせいぜい2兆円程度。現在はこのうちの700億円程度が日銀のTOPIX連動型ETFの買入によるものです。

それに対して、外国為替市場の一日の取引量は500兆円を超えており、その規模は東証一部の売買代金なんて足元もにも及びません。そして、この内訳としては、ユーロ/ドルが23%で№1で、ドル/円は№2で18%程度となっています。

500兆円の18%ですから、ざっと計算しても90兆円、さらに実需筋と投機筋の割合が2:8という事を考慮すると、投機筋による売買高は70兆円を超えます。これでは、海外投資家が日本株購入のために、円を買ったところで、その他大多数の投資家が円を売れば、その流れを変える事は出来ないでしょう。

近年では、日本の輸出企業の中でも、特に自動車産業は日本で製品を作り、海外へと輸出するのではなく、現地で作り、現地で売るというスタイルを浸透させつつあります。これならば、日本の従業員の給与支払いのために、ドルを円に換える必要はありませんし、ドルで全てが完結してします。決算期などは円に換算して計算するため、円安の方が見かけ上の利益は増える事になりますが、円に換えないのであれば、ドルベースでこれらを考えても実質は問題が生じない事になります。

リーマンショック前を見渡せば、円高=株高という事実があったにせよ、現在は円安=株高というのがトレンド。ならば、為替市場の大多数を占める、投機筋達は日経平均株価上昇トレンドに乗れば、ドル円ロングを仕掛けてくるのではないでしょうか。

まとめ

長くなってしまったので、そろそろまとめに入ります。今回、為替市場が動く要因として、代表的なものを解説してみましたが、絶対的な結論は出ません。

いくら考えても、無い知恵を絞りだし、ブドウ糖をたくさん消費しても、正しい答えは導き出せないのです。でもそれが相場。

経済や財務、ファイナンス論、テクニカル分析、ファンダメンタルズ分析等々…投資をする上で学んだ方が良い事はたくさんあります。でもこれらを学んだところで、どれだけリターンに繋がるかと言われたら、実はあまり関係がないような気がします。

もちろん、これらを120%投資に活かしている人たちは、いるかもしれませんし、それが出来ないのは私が未熟なだけかもしれません。

だけど学び続けるのは、それが楽しいから。それで十分であると私は思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)