売買手数料を考慮に入れると、アメリカETFは何株単位で購入すべきか?

ETFに限らず、アメリカ株への投資は1株単位で可能であり、故に少額でもコツコツと買い増しを行うという戦略が有効となってくるわけです。

しかし、売買手数料を考慮した場合、あまりに少額ずつ買い増しをすることは推奨できる方法ではありません。

今回は、売買手数料を考慮した場合、アメリカ株・ETFの投資は何株単位が理想なのかを検証してみます。

アメリカ株(ETF)売買にかかる費用

まずは、アメリカ株購入にかかる費用をおさらいしてみます。

  1. 為替手数料
  2. 売買手数料
  3. 税金
  4. 信託報酬(ETF)

税金は売却益は20%のみ、配当ならば外国税の10%と日本での税金20%の計30%を取られるという事になります。外国税額控除を受けるためには、確定申告をする必要がありますが、これでも全額が戻ってくるわけではありません。

信託報酬はETFごとに違いますが、バンガードやブラックロックなどの優良ETFならば、ギリギリまで信託報酬を抑えているので、安心して取引を行う事が出来ます。

為替手数料はマネックス・SBI共に片道25銭です。1ドル=100円と考えれば、100万円で1万ドル買ったとして、2500円の手数料です。

SBI証券ならば、住信SBIネット銀行を使う事により、為替手数料を片道15銭に抑える事が出来ます。また、SBI証券のFXαならば、1ドル=100円の時に1,000,000円で10,000ドル購入し、これを現引きすることにより実質500円での両替が可能となっています。

では、ここからが本記事のメインです。

上記の3つの手数料は投資金額に対し、一律で掛けられる経費となりますが、売買手数料に関しては少し話が違ってきます。

売買手数料を基準に考えるとどうなる?

現在、日本のネット証券で外国株を扱っているのは、楽天証券・マネックス証券・SBI証券の3社です。しかし、売買手数料に限って見れば、楽天証券は他の2証券に遅れをとっているため、今回はマネックス証券とSBI証券を基準として話を進めていきます(マネックス証券とSBI証券の売買手数料は同水準)。

マネックス証券とSBI証券の売買手数料を確認

1取引あたり約定代金の 0.45%(最低手数料は5米ドル。手数料上限は20米ドル)

これだけだと分かりづらいので、私が好んで買い増しをしているHDV(ブラックロック高配当ETF)を例に考えてみます。

2017年7月13日時点の株価は82.89ドルです。計算を楽にするため83ドルで考え、数量ごとの手数料を計算してみます。ドルだとピンと来ない方もいると思うので、()内に1ドル100円当たりの金額を表記しました。

1株:購入金額83ドル(8300円)、手数料5ドル(500円)

1株ですと、最低手数料が適用され5ドルとなります。8300円の買い物に対して、500円の手数料を払うのは少々高い気がします。

5株:購入金額415ドル(41,500円)、手数料5ドル(500円)

こちらも最低手数料が適用され5ドルとなります。

10株:購入金額830ドル(83,000円)、手数料5ドル(500円)

20株:購入金額1,660ドル(166,000円)、手数料7.47ドル(747円)

この辺りから最低手数料を超えてくるため、約定金額の0.45%が適用されてきます。

30株:購入金額2,490ドル(249,000円)、手数料11.2ドル(1,120円)

50株:購入金額4,150ドル(415,000円)、手数料18.67ドル(1,867円)

60株:購入金額4,980ドル(498,000円)、手数料20ドル(2,000円)

約定金額の0.45%は22.41ドルですが、手数料の上限を超えているため、20ドルが適用されます。これ以降の手数料は20ドルで固定される事となります。

100株:購入金額8300ドル(830,000円)、手数料20ドル(2,000円)

ある程度まとめての方が手数料はお得

例えば、HDVの場合だと毎月1株(8,300円)ずつ買っていくと、10株(83,000円)買うまでに手数料は5,000円掛かる事になります。一方で10株まとめて買ってしまえば、手数料は500円で済みます。差額は4,500円になり、決して安い金額ではなくなります。

この4,500円を83,000円(83ドル×10株)で回収するには、配当利回りが3%でも2年以上、売却益なら4.5ドル上昇(87.5ドル)した時点で売却しなければ、元を取れない計算になります。これに為替手数料が入ってきますから、実際の損益分岐点はもっと高くなります。

10株×10回の場合は、売買手数料が5,000円。100株×1の場合は売買手数料が2,000円。この辺りになってくると投資金額も大きくなってくるので、資金量によっては限界が出てきます。

以上を考慮すると、いくら1株単位からの売買が可能であるとは言え、本当に1株ずつ買っていくと、売買手数料の観点から考えても推奨できないという根拠を、ご理解していただけたかと思います。

実際にはアメリカ株式の場合、株価+為替という2つの変動要因がありますし、株価自体も上下停滞のサイクルで動いているため、長期で持った場合のリターンはどちらが優れているのかという点においては、一概には言えません。

また、配当は再投資に回すという考えは理想ではありますが、現実問題として再投資に回せるほどの配当(手数料が割高にならない水準)を貰うためには、それ相応の投資金額が必要であるという事。額次第では1年間の配当だけでは素直に投資できないという事も十分に考えられます。

各個人により、最適な投資戦略というのは異なりますが、決して無視は出来ない費用、売買手数料の事もしっかりと考慮に入れた上で、アメリカ株へと投資するべきです。

ただし、NISAならばマネックス証券とSBI証券の両方で買い付けに掛かる手数料が不要。さらに、配当金を受け取る際に引かれる税金も、外国税10%だけになるため、NISA口座に空きがある人は是非利用を検討してみてください。

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