NYダウ【DIA】、S&P500【VOO】、ナスダック100【QQQ】+【VTI】の各ETFを比較してみる

インデックス投資の代表格が時価総額加重型のS&P500です。投資初心者から上級者まで、これ一本をひたすら買い増す事が堅実な資産形成の最適解であるという考えには私も賛同する部分が多々あります。

また、別の方法としてはアメリカ市場全体を丸ごと買う、VTIというETFも非常に人気が高いです。VTIはETF純資産総額ランニングでは3位にランクインされる巨大ETFでもあります。

今のところ、ナスダック総合指数に連動するETFは見当たりません。ナスダックに連動するETFを購入したい場合はパワーシェアーズのQQQというナスダック100指数に連動するETFを選べば良いと思います。

そして、意外と知られていないETFがNYダウに連動するDIAです。ご存知のようにNYダウはアメリカの優秀&成熟企業30社からなる、世界を代表する企業の集合体です。ボーイングやゴールドマンサックスを始め、アップルなど日本人の誰もが知ってる有名企業が名を連ねています。

上記4つを比較した場合、投資対象としてはどれが一番魅力的なのか。今回はこれについて検証していきます。

DIA【SPDR ダウ工業株平均 ETF】

日本で言えば日経平均株価に相当する知名度を誇るのが、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているNYダウ平均株価です。

ダウにはアメリカのみならず、日本人にも広く知られている企業が多く採用されています。まさに強いアメリカを象徴するにふさわしい指数です。

しかし、ダウ平均のETFは数も少なく、現在日本の証券会社を通じて購入可能な海外ETFはDIAのみです。DIA自体の純資産規模は十分なのですが、やはりインデックスという観点で見るとNYダウよりもS&P500に軍配が上がるようです(理由は後述します)。

DIA基本情報【平成29年9月30日時点】

設定日 1998年01月14日
純資産 1.3兆円
平均出来高 2,517,075
分配利回り 2.11%
経費率 0.17%
銘柄数 30

銘柄数は30と少ないですが、私はこれで十分だと思っています。100以上の銘柄でなくても、30であれば十分に分散がされていると判断できます。そもそも、採用されている30の企業はどれもアメリカを代表する大企業ばかりですから、指数採用中の破産の確率など限りなく低いですし、業績悪化や時代に見合わない企業は指数から除外されるので、この辺りの心配をする必要はありません。

純資産・出来高共に十分。経費率はVOOやVTIに比べると若干高めですが、十分許容範囲です。NYダウ採用銘柄は成熟企業ほとんどですが、全ての企業が高い配当を支払っているわけではないので、ETFの分配利回りもそれほど高くありません。

DIA構成銘柄

ティッカー 銘柄名 セクター 割合
BA ボーイング 資本財 7.86%
GS ゴールドマンサックス 金融 7.23%
MMM 3M 資本財 6.45%
UNH ユナイテッドヘルスグループ ヘルスケア 5.99%
HD ホームデポ 一般消費財 4.96%
AAPL アップル 情報技術 4.75%
MCD マクドナルド 一般消費財 4.75%
IBM IBM 情報技術 4.49%
JNJ ジョンソン&ジョンソン ヘルスケア 4.00%
CAT キャタピラー 資本財 3.84%
TRV トラベラーズ 金融 3.78%
CVX シェブロン エネルギー 3.62%
UTX ユナイテッドテクノロジーズ 資本財 3.61%
V ビザ 情報技術 3.20%
DIS ウォルト・ディズニー 一般消費財 3.06%
JPM JPモルガン・チェース 金融 2.93%
PG プロクター&ギャンブル 生活必需品 2.80%
AXP アメリカンエキスプレス 金融 2.76%
XOM エクソンモービル エネルギー 2.51%
WMT ウォールマート 生活必需品 2.44%
MSFT マイクロソフト 情報技術 2.27%
DWDP ダウ・デュポン 素材 2.12%
MRK メルク ヘルスケア 1.99%
NKE ナイキ 一般消費財 1.62%
VZ ベライゾン・コミュニケーションズ 電気通信サービス 1.52%
KO コカ・コーラ 生活必需品 1.37%
INTC インテル 情報技術 1.16%
PFE ファイザー ヘルスケア 1.09%
CSCO シスコシステムズ 情報技術 1.03%
GE ゼネラルエレクトリック 資本財 0.75%
CASH_USD U.S. Dollar その他 0.06%

アップル、マクドナルド、ジョンソン&ジョンソン、コカ・コーラ、マイクロソフト辺りは我々日本人にも馴染みの深い企業です。日頃からこれらの企業の商品・サービス多くの人が世話になっていると思います。

アメリカ投資の良いところは、隠れた優良企業や成長企業を探し出す必要が無いところです。素直に名の知れた有名企業の株を買う。これだけでそれなりのリターンを得る事が可能なのですから。

VOO【バンガード®・S&P 500 ETF】

S&P500に連動するETFは個人投資家が株式投資を通じて資産形成をする上での最適解です。

S&P500はアメリカ市場の時価総額の約80%をカバーしており、分散効果&過去のリターン共に抜群のパフォーマンスを記録しています。

同指数をベンチマークとするETFは、SPY(ステートストリート)、IVV(ブラックロック)、VOO(バンガード)と各巨大運用会社にて提供されていますが、これらの大きな違いは経費率のみです。多くの投資家は経費率がわずか0.04%と割安なIVVとVOOを選んでおけば間違いないでしょう。

VOO基本情報【平成29年9月30日時点】

設定日 2010年9月7日
純資産 5.6兆円
平均出来高 1,705,571
分配利回り 1.95%
経費率 0.04%
銘柄数 511

純資産、出来高共に十分な流動性があります。分配利回りはDIAの方が僅かながら上ですが、VOOの圧倒的な経費率を考慮すればほぼ互角と言えるでしょう。

ちなみにS&P500なのに、銘柄数が511である理由は、GOOG、GOOGLなどの議決権の有り無しそれぞれの株式が発行されているのが一つ。ポートフォリオ内にいくらかキャッシュの割合が存在する事。

また、ETFの運用方法にも色々あり、場合によっては先物取引などを一時的に利用することで、指数とのトラッキングエラーの解消を図ったりしているからです。

その他、バンガードにあっては自社の株式をETFに組み込むとしているので、これらが影響しているかと思います。

VOOは完全法(ベンチマークとなる指数と同じ銘柄、同じ比率で運用する事)により運用されているので、理論上は実際のS&P500と限りなく同じと考える事が出来ます。

構成銘柄上位10

アップル 3.7%
マイクロソフト 2.5%
アルファベット 2.4%
アマゾン 1.7%
エクソンモービル 1.7%
ジョンソン&ジョンソン 1.7%
フェイスブック 1.6%
バークシャーハサウェイ 1.6%
JPモルガンチェース 1.5%
ゼネラルエレクトリック 1.3%

アマゾン、バークシャーハサウェイ、アルファベット、フェイスブック以外はダウ平均にも採用されてる銘柄です。

とは言ってもS&P500はダウ平均を遥かに超える分散効果があります。繰り返しになりますが、ダウ平均の30種でも分散効果は十分と言えます。しかし、NYダウは言わば成熟企業の集合体です。安定した成長は望めるけど、大化けは難しい。

S&P500も大型株が中心の指数ですが、採用銘柄が多い分、NYダウには無いグロース株の恩恵を受けられることがメリットになります。

QQQ【パワーシェアーズ QQQ 信託シリーズ1】

ナスダック市場に上場する全銘柄を、時価総額加重型により数値化したものをナスダック総合指数と言います。ここからさらに時価総額上位100銘柄を抽出(金融株除く)したものをナスダック100指数と言います。

ナスダックには米国以外の企業も上場が可能であり、日本からもキリンHD、キューピー、任天堂などが上場しています。

ナスダックにはマイクロソフトやGoogle、アップル、Amazon、フェイズブックなどのIT企業が多く上場している事から、ナスダック=ハイテク株というイメージが浸透しています。

QQQはナスダック100指数をベンチマークとしたETFです。運用会社はインベスコ・パワーシェアーズ・キャピタル・マネジメントと言い、日本ではバンガードやブラックロック程有名ではありませんが、前述2社とステートストリートの次に純資産総額の多い運用会社がパワーシェアーズになります。

ご覧のように値動き自体はほぼ一緒ですが、パフォーマンス的にはナスダック100の方が優れています。これはナスダックの中でも構成比率の多いアップルやファイスブック、Amazonなどが指数全体を引っ張っているためです。

QQQ基本情報

設定日 1999年3月10日
純資産 4.3兆円
平均出来高 33,990,856
分配利回り 0.89%
経費率 0.20%
銘柄数 107

純資産・出来高共にトップクラスです。QQQは短期トレード派の投資家からも人気があるため、必然的に日々の出来高も多くなります。

経費率はVOOやVTIと比べると若干高めにも感じますが、許容範囲と言えるでしょう。分配利回りが1%を下回っている件については仕方ありません。ハイテク株はフェイスブックやGoogleなどを始めとして、無配の企業が多く存在するためです。稼いだキャッシュは設備投資へ回すというスタンスが成長には必要不可欠なのです。

どちらにしろ、配当目的で保有するETFではありません。キャピタルゲインを目的とするETFです。

構成銘柄上位10

アップル 12.45%
マイクロソフト 8.40%
アマゾン 6.82%
フェイスブック A 5.92%
アルファベット C 4.74%
アルファベット A 4.14%
コムキャスト A 2.80%
インテル 2.40%
シスコシステムズ 2.34%
アムジェン 1.90%

アメリカ株でよく見かける「A」とか「C」は議決権の有無を表しています。Aは1株1議決権の通常の株式で、Cは議決権のない株式となっています。

何でこんなことをするのかと言うと、創業者が自分達の権利を守るために発行しています。つまり、余計な口出しはされたくないと言う事ですね。

例えば、グーグルで言えば、両株式の株価にはかい離が生まれないよう対策がなされているので、結局、個人投資家からしたら大きな問題はないのかもしれません。物言う株主なら別ですが。

という事で、改めてQQQの銘柄を見てみると、結構知っている企業が多いのではないでしょうか。個別株で買うと何かと心配なハイテク株も、ETFでまとめて買うとなれば、実は良い選択肢かもしれません。ただ、配当は極めて低いという事を考慮に入れる必要があります。

VTI【バンガード®・トータル・ストック・マーケットET】

VTIはCRSP USトータル・ マーケット・インデックスをベンチマークとしており、アメリカ市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーしています。

ETF純資産ランキングではSPY、IVVに次ぐ第3位、バンガードの中では最も純資産額の多いETFになります。

S&P500との絶対的な優劣は付けられませんが、こちらも長期投資に相応しい優良ETFです。

VTI基本情報【平成29年9月30日時点】

設定日 2001年5月24日
純資産 7.1兆円
平均出来高 1,816,382
分配利回り 1.86%
経費率 0.04%
銘柄数 3,601

流動性、純資産総額共に十分な数字。経費率VOOと同水準で低コスト。分配利回りもほぼ同じです。

唯一違うのは銘柄数で、VTIは3601もの企業への分散投資が可能となっています。じゃあS&P500とアメリカ市場全体への投資は何が違うのかと言うと、VTIにはS&P500には含まれていない小型のグロース(成長)株が含まれている点にあります。

ジェレミーシーゲルの研究により、時価総額を10段階に分け、それぞれのリターンを調査した結果、もっとも時価総額の大きいグループのリターンは9.60%だったのに対し、最も時価総額の小さなグループのリターンは14.03%と5%近く上回っていた事が分かりました。

これはあくまで結果論に過ぎませんが、小型株=将来の上昇余地が大型株よりも大きいという考えは多くの投資家が身をもって実感している事だと思います。

日本株にしろ、大化けするのは決まって小型のグロース株です。もちろん、それ単体ではそれなりのリスクが伴いますから、VTIを通じて、分散投資をするというのはそれだでリスクを軽減させる効果があります。

構成銘柄上位10

アップル 2.9%
アルファベット 2.0%
マイクロソフト 2.0%
アマゾン 1.5%
エクソンモービル 1.4%
ジョンソン&ジョンソン 1.4%
ファイスブック 1.4%
バークシャーハサウェイ 1.3%
JPモルガンチェース 1.3%
ゼネラルエレクトリック 1.1%

S&P500と同じ構成です。違うのは一つひとつの割合が違うという事と、VTIはS&P500に採用されていない小型株を含んでいるという事です。

DIA、VOO、QQQ、VTIを比較

各ETFの特徴を比較してみます。

比較項目 DIA VOO QQQ VTI
設定日 1998年01月14日 2010年9月7日 1999年3月10日 2001年5月24日
純資産  1.3兆円 5.6兆円 4.3兆円  7.1兆円
平均出来高 2,517,075 1,705,571 33,990,856  1,816,382
分配利回り  2.11% 1.95% 0.89%  1.86%
経費率 0.17% 0.04% 0.20% 0.04%
銘柄数 30 511 107  3,601

 

長期投資をする上で、絶対に無視できないコスト。それが経費です。僅かな違いが将来のパフォーマンスに影響を与えます。

信託報酬が未来のリターンに与える影響(投資金額は1,000万円と仮定)

運用年数 VOO、VTI(0.04%) DIA(0.17%) QQQ(0.2%)
1年 4,000 17,000 20,000
3年 12,000 51,000 60,000
5年 20,000 85,000 100,000
10年 40,000 170,000 200,000
15年 60,000 255,000 300,000
20年 80,000 340,000 400,000
25年 100,000 425,000 500,000
30年 120,000 510,000 600,000

どのETFの経費率も低コストで、許容範囲ではありますが、僅かな違いが将来のリターンに与える影響は大きいですね。

これを考えると、VOOとVTIの0.04%と言う数字は破格中の破格であると言えます。

純資産・出来高

これに関してはどのETFも申し分のない数字です。QQQは純資産額がVOOとVTIよりも少ないのに、日ごとの出来高ではこれらを大幅に超えています。つまり、QQQは長期投資だけでなく、短期トレード用のETFとしても頻繁に取引をされているという事です。

分配利回り

DIAが最も高く、VOOとVTIが同水準、QQQが1%と以下と低いですが、どれも積極的な分配金を求めるETFではありません。ただ、VOOやVTIに関しては経費率が低い分、莫大な投資額が積み重なれば、それなりの金額にはなります。しかし、分配金目的であれば、素直にHDVやVYMを購入した方が良いかもしれません。

銘柄数

DIAが30と少ないですが、これでも分散効果は十分。そもそもダウ平均は優良&成熟企業の集合体です。よって、個々の企業の倒産リスクなどは限りなく0に近いですし、そうなる前に指数から除外されるので、心配は無用です。

DIA(ローソク足)、QQQ(ラインチャート青)、SPY(ラインチャート赤)、VTI(ラインチャート茶)の推移を比較

※VOOは設定日が2010年のため、代わりにSPYで比較することとします。両ETF共にS&P500をベンチマークとしており、値動きはほぼ一緒です。

比較する期間を変えれば、見え方も違ってきますが、2003年以前から比較すると上記のようになります。QQQの圧倒的な上昇率は流石としか言いようがありません。

パフォーマンスの良い順に、QQQ、VTI、SPY、DIAとなっています。

結局、成熟企業の集合体であるDIAよりは、グロース株をいくらか含んだSPY、アメリカの小型株にも投資できるVTI、ITという大化けが期待できる企業の集合体であるQQQの方が、成長余地が十分にあるという考えは納得できるかと思います。

ただし、アメリカはリーマンショックによる景気低迷から大規模な金融緩和を行い、その結果がアメリカ市場全体の成長に繋がりました。これらの影響をアメリカの中小企業は存分に享受することが出来た結果が、長期に渡る上昇相場の理由でしょう。

この上昇相場がどこまで続くかは分かりません。しかし、中小企業は好景気に強い反面、景気後退期には大型株以上に業績が悪化の懸念もあります。これは単純に企業における体力の違いです。大企業は上昇余地が限定される分、企業としての体力がありますが、中小企業は必ずしもそれを乗り越えるだけの体力があるとも言えませんからね。

これを考えれば景気回復局面ではQQQやVTIがS&P500やDIAをアウトパフォームするというのはごく自然の流れですが、景気後退期ではS&P500やDIAの方が下落率が抑えられるという可能性もあります。

あくまで一つの傾向に過ぎませんが、経済情勢の変化によって、結果は大きく異なる可能性があると考えておくと良いかもしれません。

まとめ

上記4つのETFでどれが最も優れているのかは決められません。

ハイテクセクターは常に割高であり、投資家達は常に高値掴みにならざるを得ないという考えには共感しますが、現在のハイテク株すべてが明らかなバブルとは言えません。

しかし、手堅くいくならやはりVTIかVOOが良いかと思います。QQQ、DIA共に優良ETFではありますが、現在のところ、購入予定はありません。

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