信用評価損益率から相場の大まかな天井と底を推測する

相場の天井や底を予測することが出来れば自らのトレードを有利に進める事が出来ます。もちろん的中率が100%の方法と言うのは存在しませんが、今回解説する信用評価損益率という指標を使えば、大まかな相場の状況と言うのを把握することが可能になります。

信用評価損益率の考え方

信用評価損益率とは簡単に言えば、信用買いした投資家の含み損益を平均値として表したものです。

現在では信用取引を利用している個人投資家も増えてきました。実は個人投資家の株式の売買状況は、現物が4割、信用取引が6割と言う統計が出ています。信用取引は短期による売買、同一銘柄の回転売買も可能という事を考えれば当然かもしれません。

話を信用評価損益率に戻します。通常、この指標は-5%~-20%付近で推移しています。ちなみに信用評価損益率は買建玉の評価損益の合計を買建玉の総額で割って求められます。例えば、買建玉の合計が100億円の時に、評価損益の合計が-5億円なら、信用評価損益率は-5%となります。

上記の例を計算式に当てはめると、-5億円÷100億円=-5% となります。

実際この数値がプラスで推移することは稀ですが、マイナスであった数値が0%に近付くという事は信用買いにより利益が出ている投資家が増えて来たという合図でもあります。

なぜ、プラスで推移することが少ないのかは信用買いをしている投資家達の心理を考えてみると答えが見えてきます。信用取引には決済の期限があります。つまり長期で寝かせるという事が出来ません。また、人間の根本には利小損大という心理が在ります。故に信用買いによる利益は早めに確定する投資家が多く、含み損が出ている株は決済までの期間内で上昇するまで待とうという心理が働きます。この行動が信用評価損益率を-5%から-20%で推移させる要因となるのです。

ちなみに信用評価損益率が-20%付近で推移している状態と言うのは追証発生の水準となり、含み損に耐えられなくなった投資家達の投げ売りにより、そこからさらに信用評価損益率が低下します。投げ売りが一巡した段階で指標の低下も一段落、これが信用評価損益率による相場の底を判断する目安となります。

先ほども述べましたが、0%に近付くという事は信用買いにより利益が出ている投資家が増えている状態となります。このような時は、多くの投資家が利益確定をすることにより、再び信用評価損益率は低下し始めます。これが信用評価損益率による相場の天井を判断する目安となります。

信用評価損益率についてまとめると

  1. 通常は5%~20%の間で推移する
  2. 0%に近付くにつれ利益確定の圧力が強まる=相場の天井が近くなる
  3. 20%付近は追証の発生水準であり投資家達の投げ売りが始まる=これが一巡することで、下げが一段落し、相場の底とみなされる

とは言っても信用評価損益率自体も相場を推測する上での一つの参考情報にしかなりません。考え方の基本的な部分に関しては上記で解説した通りですが、0%に近いから下がると思って空売りしたけどなかなか下がらない、-20%を超えたから買ってみたけどなかなか上がらない、なんてことも普通に起こり得る事です。当然ながら他の分析方法と組み合わせて使用し、推測の精度自体を高めていくしかありません。

日経平均株価の推移と信用評価損益率の相関性について考察する

信用評価損益率は投資をする上でどの程度参考になる指標なのか。これについて日経平均株価の推移と比較しながら考察していきたいと思います。なお、今回参考にするのは、アベノミクス・日銀の金融緩和により2万円台を付けた上昇相場のチャートです。

日経平均株価週足チャート

上記のチャートは2012年10月1日~2016年6月24日までを含めた週足チャートになりますが、この間に信用評価損益率がプラス圏に浮上したのは僅か7週のみです。

日経平均株価が2万円台を回復した週を見てみると、信用評価損益率は-6%前後で推移しており、株価もそこから下落に転じ、信用評価損益率も-10%台まで低下しています。その後反発するような動きを見せるも、再度株価と共に急落し、-25%台を記録しています。

ちなみに、上記のチャートの一番右のローソク足は2016年6月20日~6月24日のローソク足ですが、24にはイギリスのEU離脱が国民投票により決定した日、いわゆるブレクジットであり信用評価損益率も-18.69%となっております。結果的にはこの日をきっかけに日経平均株価は底をつきレンジ相場へと突入。FRBのイエレン議長の「利上げ」発言に惑わされつつも、長期の移動平均線上に顔を出し、このラインを支持線とした攻防を開始。その後トランプ氏の当選により強気相場へと推移して行きました。

次に視覚的にもっと分かりやすくするためにエクセルにて相関性を確認するためのグラフを作成してみました。

日経平均株価と新評価損益率の比較グラフ【2015年1月9日~2016年7月22日】

信用評価損益率と日経平均株価をグラフ化してみると、転換点での推移に明らかな相関性があることがわかります。このことからも信用評価損益率の増減から日経平均株価の動きを予測することはそれなりに意義のある事だと思います。

信用評価損益率は逆張りトレードに活かせるのか?

上記のチャートで6日間連続して信用評価損益率がプラスになった期間があります。信用評価損益率が通常-5%~-20%付近で推移することを考えれば、プラス圏に浮上している時は「空売り」のタイミングです。しかし、このタイミングで空売りしても、その後の一時的な下げで利益確定が出来れば良いですが、このポイントを逃してしまうと少々売り時が難しくなってしまいます。

また、ブレクジット付近では-18%前後で推移しているため、これを相場の底だと考え買いを入れたなら、それなりに利益が取れたのではと思います。この後NYダウや日経225は急上昇しましたので(これまた結果論ですが)。

信用評価損益率単体では判断しない

結局あらゆる指標に共通する考え方ですが、それ単体では判断しないようにという事です。そして、この指標を使ったトレードと一口に言っても、そのスタイルが短期・中期・長期のいずれかに該当するのかでも結果はかなり違ってくるはずです。

しかし、この指標は私も常に気にしていますし、それなりに参考になる数値だと考えております。相場の過熱感を見極める指標というのは他にもあるので、別途記事にて解説いたします。

要点整理

  1. 信用評価損益率=信用買いした投資家達の含み損を平均化したもの
  2. 通常は‐5%から-20%の間で推移する
  3. 0%に近くなると含み益の出ている投資家が多い=相場が天井圏
  4. -20%付近では追証の発生水準となり投げ売りが始まる。それが一巡すると下げ止まる=相場の底
  5. 当然ながら信用評価損益率単体での逆張りトレードはおすすめしない

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