バフェット氏の100年後のダウ平均は100万ドルを超える発言を検証する【米国悲観論者は狂っている】

バフェット氏と言えば、バークシャーハサウェイの最高経営責任者であり、ビルゲイツに次ぐ世界第2位の資産家でもあります。資産は8兆5000億円を超えており、他のランキング上位者の多くが実業家である中、数少ない投資家でもあります(ジョージソロスは29位)。

そのバフェット氏が、100年後のNYダウ平均は100万ドルを超えると発言したことが話題になっています。

現在のダウ平均が約2万2千ドルですから、ざっと計算しても50倍程度は上昇の見込みがあるという事です。しかも、この数字はかなり控えめであるという証言も…。

また、バフェット氏は米国悲観論者は狂ってるとも発言しており、「米国をショートにすると、常に負けてきた。これからもそうだ」と強調しています。

正直、この発言自体は我々アメリカETF長期投資家にはかなりポジティブな内容です。しかし、いくら何でも100万ドル超えはどうなの?という声も聞こえてきそうなので、その信憑性を検証してみました。

NYダウの長期チャート確認

ダウ平均の名称自体は1884年から使用されてはいましたが、ダウ工業株平均の算出が正式な形でスタートしたのは1896年からです。当時は12銘柄のみの採用となっており、現在の30種になったのは1928年からとなっています。ちなみに、ダウ工業株30種平均の「工業」は当時採用銘柄が工業株中心であったことが由来となっています。現在は各種セクターからバランス良く組み込まれていますが、名称に関しては当時の名残が今でも残っているというわけですね。

現在、ダウ平均を算出しているのは「S&Pダウジョーンズ・インディシーズ」という指数提供会社です。かつてはダウ・ジョーンズ社により算出・発表されていましたが、スタンダードプアーズとの合併により上記の会社が設立されました。

NYダウにはアップルやウォルトディズニー、エクソンモービルやジョンソン&ジョンソンなど我々日本人にも馴染みの深い企業がたくさん採用されています。

アメリカ市場全体の動向を把握するという意味ではS&P500の方が適していますが、強いアメリカ経済を象徴する優良企業の集合体という位置づけでは、NYダウはまさに世界最強の株価指数とも言えそうです。

上記チャートには映っていませんが、ダウ平均株価の初値は40.94ドル、最安値は1896年につけた28.48ドルです。

バフェット氏が発言した2017年9月19日のダウ平均の終値2万2370.80ドルです。100年前が僅か81ドル程度であったという事ですから、約276倍も成長している事になります。

そして、この2万2370.80ドルが100万ドルになるためには約45倍の成長を遂げる必要があります。

100年で276倍の成長は年率5.7%

ダウ平均が今後100万ドルに到達するために必要な年率は3.8%

もちろん、上記の結果はインフレ(物価上昇率)を加味してませんから、実質的なリターンはもう少し低くなります。

しかし、歴史に学べば今後は過去100年のリターンを若干下回る成長率でも100年後には100万ドルを超える計算になります。

ただし、ミクロ的な視点で見れば世界経済全体の成長余地は過去100年に比べたら限られる可能性がある、人口増加もこれまでのようにはいかない、必ずどこかで頭打ちが来る等々、様々な不安材料は存在します。

私の結論的には、NYダウの歴史を見るならば、100万ドル到達は十分に可能。しかし、ミクロな不安要素は尽きる事はないと言ったところでしょうか。

結局正確な予測は出来ないという事です。申し訳ございません。

長期的には上昇、短期的には予測できない

ただし、注意しておかなければならないのは、長期的には上昇の可能性が十分にあったとしても、短期的には予測できない部分も多々あるという事です。

先程のダウ平均長期チャートを見ても分かるように、全ての期間で平均的に上昇しているわけではありません。もちろん、株式市場は世界経済の情勢や政治的な要因、市場参加者の心理状態をも織り込みながら推移して行きますので、短期的には上下を繰り返しつつ成長をしていきます。

リーマンショック以降の大規模な金融緩和により長期的な上昇を続けてきたアメリカ市場は、リセッション(景気後退)突入の可能性が繰り返し唱えられてきました。しかし、その期待を見事に裏切るように、史上最高値を更新し続けています。

毎年恒例のNY市場暴落説。2015年にはチャイナッショック、2016年にはイギリスのEU離脱問題、2017年に入ってからも北朝鮮のミサイル発射問題など、政治的・経済的な不安要素が尽きる事はありません。

しかし、幾多の不安要素を跳ね除け、NYダウは高値を更新し続けてきました。また、2017年10月からはFRBによる資産縮小が開始されます。リーマンショックによる後遺症を修復するために実施してきた量的緩和政策の出口戦略がついに始まったのです。

また、今後も段階的な利上げが行われていく事も示唆しています。これら金融引締政策の発表を受けてもなお、現在のところNY市場に悲観的なムードは見て取れません。

リセッションは既に目前まで迫っているのか。

皆が懐疑的なうちは上昇を続けていくのか。

「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観とともに成熟し幸福のうちに消えて行く」

私の好きな格言の1つです。しかし、現在の株式市場がこの格言のどの位置に該当するのか。正解は神のみぞ知る、と言ったところでしょうか。

ジョージソロスの大規模な空売りの行方

バフェット氏は100年後のダウ平均100万ドル到達の見方と共に、「米国をショートにすると、常に負けてきた。これからもそうだ」と強調する発言もしました。

さらに、「フォーブス誌が1982年に最も富裕な米国人400人のリストを公表して以降、1500人程度がリストに登場したがショートセラー(空売りをする人)は誰もいない」と指摘しました。

確かにダウ平均は日経平均株価とは違い、長期投資に適した指数です。日経平均株価は上下のサイクルがある分、買いと売りの両方で攻める事が出来るため、凄腕トレーダーにとってはある意味利益の上げやすい指数とも言えるかもしれません。

さて、私がバフェット氏の上記発言を見て、真っ先に考えたのはジョージソロスによるアメリカ株の空売りでした。

ジョージソロスと言えば、イングランド銀行を潰した男として有名であり(本当に潰れたわけではありません)、バフェットのような投資家と言うよりは、「投機家」といったイメージが強いかもしれません。

ソロス氏は2016年11月に、トランプ大統領の誕生からNY市場暴落を予想し、大規模な空売りを仕掛けていました。しかし、御存じのように市場の反応は全くの逆。その結果ソロス氏は111億円もの損失を計上してしまったのです。

また、ソロス氏はS&P500及び、Russel2000連動のETFの空売りポジションも拡大してきました。ソロス氏は2016年からアメリカ株の空売りポジションを取ってきましたが、悲しい事にその間指数は見事なまでに上昇してきています。

2017年8月のポジション開示時には、S&P500ETF:420億円、Russel2000:360億円、ナスダック100:1000億円と、ソロス氏は依然としてアメリカ市場暴落のシナリオに賭けているようです。

皮肉なことにソロス氏の空売り戦略は、現在では冒頭のバフェットの言葉を再現する形となっています。残念ながら、現在の相場が続く限り、ソロス氏の空売りが報われる事は無さそうです。現在87歳のジョージ・ソロスの動向には今後も注目していく予定です。

ちなみに、日本にも空売りの数量が一定の水準を超えた場合は報告する義務が存在し、発行済株式総数の0.2%以上が報告の対象となっています。また、このうちから売り残高が発行済株式総数の0.5%以上ものに関しては、日本取引所のホームページ等で確認することが出来ます。

念のために言っておきますが、大口が空売りしてるから自分も空売りしようなどと言う考えは捨てた方が良いでしょう。おそらく大火傷します。機関投資家と個人投資家とでは投資に対する情報もテクニックも資金力段違いですので。

まとめ

アメリカ株は割高か?

歴史的に見れば間違いなく高値圏に位置しています。しかし、明らかなバブル状態とは言えませんし、上昇の裏付けとして、アメリカの強いファンダメンタルズがそれを支えています。

正直、ここまで順調すぎる上昇を見せつけられると、買い時と言うのが分からなくなります。人間は欲張りですから、少しでも円高の時にドル転し、株価が下がって来たところで仕込みたいという考えが働きます。しかし、昨今の上昇相場ではこの考えが根底にあるがために、結局買えず仕舞いで、悔しい思いをしたという方も多いかもしれません。

100年後にダウ平均が100万ドルに到達するのならば、買い時は今、タイミングを計る必要はない、という考えは理解出来ます。もちろん10年単位での長期保有前提ですが。

しかし、目先の利益にこだわる人間は、その簡単な方法が実践できません。結局は株価を見ず、定期的&機械的に買い増しをするというスタイルがアメリカ株、特にETF投資に関しては最強なのかもしれません。

とりあえず、ミクロな問題を除けば、今までのペースを下回る成長でも100万ドル到達の可能性は十分にあると分かった今、短期的にではなく、長期的な視点でなら、アメリカ市場に投資をする価値は十分にあるのではないでしょうか。

ただし、長期投資を断言しておきながら、2年、3年で売ってしまうようでは、その投資は報われないかもしれません。あくまで、10年、20年、30年と忍耐強く保有し続ける事が出来る人にのみ与えられるご褒美でしょう。

「投資は忍耐」

長期投資家はバフェット氏のようにあるべきです。

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